ひろい 海のどこかに、
小さな魚の きょうだいたちが、楽しく くらして いた。
みんな 赤いのに、
一ぴきだけは、からす貝よりも まっ黒。
およぐのは、だれよりも はやかった。
名まえは スイミー。
* * * * * * * * *
あたしの 大好きなおはなし、スイミー。
レオレオニの絵本。
ある日 はらぺこのマグロがやって来て、赤いきょうだいたちを 一ぴきのこらず食べてしまいます
にげたのは およぎのとくいな スイミーだけ
こわさ さみしさ かなしさをかかえ、スイミーは ひとり くらい海のそこを およぎます
にじ色の ゼリーのような くらげ
水中ブルドーザーみたいな いせえび
ドロップみたいな岩から生える こんぶや わかめの林
スイミーは いろいろなものに出会い、だんだんと 元気をとりもどします
そして 岩かげにかくれる 小さな 赤い魚たちを見つけます
大きな魚におびえる きょうだいたち
スイミーは考えます
うんと 考えます
そして みんなで 大きな魚のかたちをつくり マグロをおいだすことを 思いつくのです
「ぼくが、目に なろう」
こうして スイミーは、なかまたちとともに 光かがやく海の中を およぎ 大きな魚をおいだすのです
こんなおはなし。
「ぼくが、めに なろう」
こどもながらに その魅力的な言葉の虜になり
よく スイミーごっことか、やってました。
もちろんスイミーの役!
ではなく、マグロの役。
もう一度言いましょうか?
マグロ、マグロの役です。
しかも、自ら進んでのマグロ役ですからね。
んでもって、内容なんか完全無視して スイミー食べてたというね。
ある意味、主役級の迫力。
「ぼくが、めに なろう」
このセリフ!
マグロ役のくせにスイミーに代わって乱用しまくってました。
いやいゃ、お前が目になったら 身の部分食べるだろっていう。
マグロ界のジャイアン的なね。
スイミーだけじゃなくて、色んな ごっこ遊び よくやってました。
アルプスの少女ハイジごっこ。
これ、よくやりました。
そりゃぁもうね、ハイジとクララに人気集中しちゃうわけ。
じゃんけんだのなんだのって大騒ぎ。
そんな中 あたし
「ロッテンマイヤーさん、やりたい」
え?
ハイジでもクララでもペーターでも、おじいさんでもなく
ロッテンマイヤーさん。
100歩譲って ヨーゼフでもユキちゃんでもない
ロッテンマイヤーさん。
あえての
ロッテンマイヤーさん。
逆にね、逆にねの
ロッテンマイヤーさん。
いゃぁね、ロッテンマイヤーさんが嫌いだとかそういう事じゃないけどね、むしろ好きだけどね、なんていうの?
他にもいっぱいいるわけじゃない?
メインキャラってゆーの?
あるわけじゃない?
可愛い役やりたいとか、カッコイイのがいいとか、ね。
なんで、なんでかなぁ
あえてそこをチョイスしちゃうのかっていう
まさに 予想外ですよ。
ここまできたら 個性的な子だったのね、としか言いようがないですよね、もう。
そうそぅ、極めつけは
フランダースの犬ごっこ
……。
か、悲しすぎるよ!!
なんとも悲壮感あふれる遊びだこと…。
涙なしじゃ遊びきれないよね。
で、気になるでしょ?
あたしが何役だったか。
まぁ、ロッテンマイヤーさんに立候補するくらいだから 当然ながらネロやパトラッシュ役じゃないですよ。
おじいさん?
いやいや
アロア?
違うよ
ジョルジュ?(ネロの友達)
違う、ちがう
ジョルジュの弟?
んなバカな
みっくん。
フランダースの犬と全くもって関係ない
かすりもしない
当時あたしが好きだった 男の子
みっくん。
物語も何も あったもんじゃない。
もはや 個性的で済まされるレベル 越えちゃってますからね。
リアル ジャイアン…。
これ以上ふさわしい言葉が見当たりません。
ちなみに「みっくん」は どんな役かといいますと
牛乳売りで 絵が上手い
…主役剥奪。
あ、でも安心して!
ネロと違う所もあるから
みっくん、犬じゃなくて金魚飼ってるの←本物みっくんが金魚飼ってたから
それに、みっくん 死なないしね←好きだから死んでほしくない
金持ちだし←願望
折り紙 得意だし←みっくん関係ない
補助輪 外したばっかりだしね←好きなのかバカにしてるのか
みっくん、山の中に住んでるんだよ←完璧、バカにしてるわ
ビームも出せるよ←もう、そんなこと どうでもいい
このさい なんでもあり。
リアル ジャイアン…。
俺のものはオレのもの
お前のものもオレのもの
オレはジャイアン
ガキ大将
やりたい放題
食べ放題
タイトル変えよう
そうしよう
「おれに、めを させろ」
もはや この世に 敵なしです。


