大晦日の午前11時。
「ごめんくださーい!」と元気な女の人の声がした!
タミーは、「はーい」と言いながら玄関へ。
しばし賑やかな会話が続いたようだ。
タマキは、ここ数年子供の繋がりから知り合ったパンク父さんのお母さんから年越し蕎麦を届けて貰っていた。
日が暮れるころにはチェンが右肩にバッグ、両手に土産を持ってノソッと姿を現した。
いつものように仏前に土産を置いて手を合わせた後に、タマキは「お疲れ!チェンの血液もサツキの血液も両方大丈夫だったども、山大の先生の判断でサツキから御苦労すてぃもらうごどなった!」
チェンはただただ「ウンウン!」と言葉を発する事なく軽く頷いた。
「ありがどのッ^_^」タマキは感謝の思いを伝えた!
「山どげだっけ?」タマキが言うと
「ほだい大したゴド無ぇがつたなッ」と柔らかな口調で言いながら顔を少し前に傾けながら頷いた。
昼間みんな年越し蕎麦食ったはげまんず蕎麦食った方いい!
チェンは無言で頷いた。
タミーはドンゾの取り継ぎから発泡に乗せてあったそばをひと玉ザルにあけて冷水を通して手際良くパッパッと水を切ると皿に盛り付けて「ハイッ!チェンちゃん!」と言いながら差し出した。
タマキにとって最期の晩餐じゃないがいつもの大晦日の料理が並んだが、今まで制限がかかっていた生野菜と刺身に目が行った。
お手製の納豆汁を「フーして啜ると、んーーーと腹の底から唸った」
皆が揃ったところで乾杯してタマキは一気に缶ビールを流し込んでまた唸った!
サツキが送ってきたズワイガニに手をやりながら格闘技に見入っていた!
その様を見たタミーは「まーーーっだ身体さ力入った!」と格闘技に釘付けのタマキの視線に被り気味で突っ込んだ!
すぐ隣のファックス部屋ではユキミの笑い声が絶えない!
「まだケッツタタキがー?!」タミーは姿の見えない隣部屋のユキミに向けて声を上げた!
続けてタミーは「紅白見でのーーー」
タマキは「もうちょいで終わっさげ」と右手でタミーに待ったをかけた。
いつもの愛刀家の大晦日の晩餐の時が流れた!
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