今年は多くの有名選手が引退、あるいは戦力外通告を受けている。
そんな中にヤクルトの鈴木健選手(前西武)がいる。
彼は「ポスト石毛宏典」として若い頃から期待され、当時の森監督(西武)も大きな期待をかけていた。
そんな彼が活躍するきっかけとなったのが’91年9月の近鉄との3連戦(西武球場)。
当時は常勝軍団西武といてまえ打線近鉄が優勝争いするのがほぼ毎年であった。
その年イースタンリーグで打率.401という驚異的な数字で首位打者に輝いた鈴木は3連戦の最後の試合(3試合目)で代打で起用された。
西武はランナーを一人出しているが、スコアは「3-5」で近鉄リード。
相手投手は近鉄の先発要員でこの日はリリーフに回っていた山崎慎太郎。
この場面で山崎の投げた球を鈴木はライトスタンドへ運び、見事2ランホームランを放ったのである。
これで同点に追いついた西武は完全に勢いづき、この試合を何とか引き分けで乗り切り、その後リーグ優勝へと突っ走っていったのである(前年に続きリーグ2連覇)。
これで鈴木はレギュラー奪取か?と思われたが、守備に難点があるので中々レギュラーにはなれなかった。
出場する時はサードかデストラーデ離脱後のDHに限られた。
不動のサード石毛宏典がダイエーへFA移籍するとサードのレギュラーはようやく鈴木となった。
守備は兎も角、打棒は遺憾なく発揮された。
しかし、ケガや不振で悩まされる事も多く、その後は出番が減っていき「もうこれ迄か?」と思った時にヤクルトへ移籍するのであった。
鈴木の守れるファーストとサードにはペタジーニ&岩村がおり、代打中心になるかと思われたが、’03年に岩村の故障により彼はカムバック賞をもらうまでの大活躍をし、見事復活を果たした。
その後は代打やファースト・サードのサブとして活躍をしたが、ここ最近は出番も少なくなった上に結果も残せなくなり、今季限りで引退となった。
最終打席では10球以上粘り、ヒットを放つなど最後で彼らしさを示し、ファンを喜ばせた。
今後は西武のコーチ就任か?という噂もある。
通算1500安打まであとわずかだっただけに惜しいとも感じる。
それは彼がケガで悩まされていたから余計にそう思えるのかもしれない。