住宅購入でつい間取りやインテリアに目が行きがちですが、今回は“金利と返済ルール”に焦点を当てて解説します。変動金利の「125%ルール」と固定金利(フラット35)の比較を通じて、自分に合うローンの考え方・判断軸をしっかりと掴んでいきましょう。YouTube動画もあわせてご覧ください!
こんにちは、 本気不動産の佐藤です。
今日は「住宅ローンを組むなら変動金利?それとも固定金利(フラット35)?」というテーマに、わかりやすく切り込んでいきます。
間取りや設備の話もワクワクしますが、実は住宅購入の成功・失敗を左右するのは「資金計画=金利・返済ルール」なんです。今回はそこを掘り下げ、失敗しないローン選びの“基礎のキ”を皆さんと一緒に確認していきましょう。
① 企画の趣旨と視聴者への狙い
不動産歴25年、売買1,200件超、査定相談4,000件超の経験を持つ私が、この動画・ブログでお伝えしたいのは、「夢のマイホーム=いい間取り・いい設備」だけじゃない、資金面の“地味だけど超重要”な視点です。
全国的に「変動金利」が人気ですが、その裏には“見えづらいリスク”もあります。
そこで今回は、変動金利に付随する「125%ルール」の仕組みを具体例で紹介しながら、固定金利(特に フラット35)との比較検討をします。最後まで読んで、自分ならどっちを選ぶかの判断軸をしっかり持って帰ってください!
② チャンネルの実績と情報提供スタンス
私、佐藤竜志は北海道千歳市生まれ、株式会社エリアネット代表として25年間この道一本。年間数千件の査定・相談を頂いています。
このブログ/YouTubeチャンネルでは、「住宅購入で後悔しないため」に、できるだけ実務的・数字的に“見える化”した情報を提供しています。
今回も「変動金利とは何か」「125%ルールとは何か」「フラット35との比較でどこに落とし穴があるのか」を、実例ベースで解説します。
③ 変動金利の基本フレームと125%ルールの位置づけ
まず、変動金利の仕組みから確認しましょう。
・変動金利でも、最初の5年(多くの住宅ローン商品で)は返済額(月々の支払い)は固定されるケースが多く、「返済額がずっと上がる」わけではありません。
・ただし、金利上昇時には「元金返済割合が減る・利息が増える」方向に変わり、返済計画が揺れる可能性があります。
ここで登場するのが「125%ルール」。これは“返済額が一気に跳ね上がるのを抑える”ための上限変動幅が設けられているというものです。
ネット上では「有無」で議論がありますが、私は「有っても無くてもよいが、最悪ケースをイメージしておくこと」が肝要だと考えています。
④ 125%ルールに基づく変動金利の最悪ケース試算とリスクの可視化
ここから具体的数値で見ていきます(あくまで“最悪ケース想定”です)。
前提条件:
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借入額3,000万円
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期間35年
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初期金利0.5%(元利均等・ボーナス返済なし)
→当初5年間の月額返済:約77,876円と仮定。
・125%ルールで返済額が上限まで増加したと仮定すると:
1期目(月)77,876円
2期目上限:約97,252円
3期目上限:約121,517円
4期目上限:約151,841円
5期目上限:約189,000円相当
さらに残高推移も仮定して、5年時点残高2,280万円、10年時点1,990万円、15年時点1,710万円、20年時点1,410万円…という見方をします。
この数字から、「想定したより元金の減りが鈍る」現実感が見えてきます。
⑤ 金利上昇の影響、利息制限法の上限、総返済額の負担感
続いて、金利が上がった場合を“極端想定”でシミュレーション。
仮に:2期目2.08%→3期目4.12%→4期目6.83%→5期目10%超と上昇し、25年目以降は利息制限法の上限(15%)で頭打ち…という前提を置きます。
その場合、返済額が25年目以降でも月額22万6,000円前後の水準になる可能性があるとし、当初の約3倍になる負担が発生しうるという“体感”を共有します。
これを積み上げると、最悪シナリオでは“当初想定より倍以上払わされる”という印象が数字上でも明らかです。
⑥ 現実的な想定、備えの必要性、貯蓄と資金計画の要点
もちろん、「125%規制の上限まで毎回到達」というのは極端な想定です。現実にはそこまで行くケースは稀です。ただ、例えば“金利が2%程度まで上がる”という想定は十分に現実的とみています。
ですから、変動金利を選ぶのであれば、次のようなポイントで備えを持っておくことが重要です:
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“当初月々支払額 + 予備費”という視点を持つ
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年齢・収入・支出のバランスを返済開始時点だけではなく、5年・10年後という時間軸でチェック
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貯蓄・支払い耐性を「金利2%上振れ」レベルでシミュレーション
「安い金利だからお得!」という短絡的な判断ではなく、“もし金利が上がったら?”という耐性を持つことが安心につながります。
⑦ フラット35の固定金利シミュレーションと変動金利の優遇構造の実態
では、固定金利(フラット35)ではどうなるか。仮に:借入3,000万円・期間35年・当初金利0.85%・5年経過後1.85%固定とします。
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当初5年の月額:約82,880円
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その後31年間の月額:約95,337円
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総支払いイメージ:当初5年 約497万円+残期間 約3,432万円=合計 約3,929万円。
変動金利(初期0.5%)との比較では、当初5年で約30万円の差が出るという試算です。
つまり、固定金利は入口は高めですが「見通しが立ちやすい安心感」が最大のメリットと言えます。
合わせて、変動金利の“表面金利0.5%”が“基準金利2.0%から優遇1.5%引き”という構造で、優遇幅が変わったり基準が上がったりすると実効金利もガラッと変わる可能性があるという落とし穴にも触れておきます。
⑧ 当初差額の回収期間目安と選択の考え方の枠組み
当初5年間で約30万円の差が出たとして、それを“変動金利で低く支払った分”を回収するには、条件次第で約16年が必要という目安です。
つまり「初期の月々差」が小さいからといって固定を選ばず、また逆に「低月々だからと飛びつく変動」もリスクを知らずに選ばない。
借入額が増えたり返済期間が長くなったりという最近の傾向を踏まえると、固定の「シンプルさ」と変動の「低コスト挑戦」のトレードオフを、実測・数字ベースで見極めることが肝要です。
⑨ 実務的な判断材料:処理コスト、団信、自己資金、LTV制限など
ここは“見過ごされがちなコスト”の話。
・事務手数料:借入額の約2%(1.8~2.2%)の商品が多く、3,000万円借入なら約60万円にものぼる。
・団体信用生命保険(団信):金利上乗せの有無なども要確認。
・融資比率(LTV):例えば「融資8割」という制約下では、3,000万円物件でも2,400万円までしか借りられず、残り600万円は自己資金が必要――など、低金利商品でも“使えないケース”がある。
これらを加味した「総コスト比較」を抜きにしたローン選びは、結論として甘くなりがちです。プロの助言を得る価値がここにあります。
⑩ 相談時の伝えるべきポイント・視聴者への呼びかけ・エンディング
ローン相談時に私がまず聞くのは、この2点です:
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「月々いくらなら無理なく払えるか」
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「ボーナス払いの有無」
この2つを具体値で出してもらえたら、複数の金融商品の違いを資料化し、「この条件ならこういうシナリオもありますよ」という提案がスムーズになります。
家族構成・年齢・収入・支出・将来見通しを踏まえ、「もしもの金利上振れ」に耐えられるかどうかも一緒に設計しましょう。
今回説明が数字多めで難しく感じた方もいるかもしれませんが、「直感+逆算」で伝わりやすく構成していますので、ぜひコメントや質問もお待ちしています。
お問い合わせは、 株式会社エリアネット 公式LINEまたは概要欄のホームページからどうぞ。次回動画もぜひご覧ください、ありがとうございました!
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それでは、次回も「実務的に使える、不動産を買って後悔しないための情報」をしっかりお届けします。よろしくお願いいたします。
本気不動産の佐藤でした。