インスタ映えする家は本当に住みやすい?おしゃれ住宅デザインの落とし穴と現実的な選び方 | 佐藤竜志 オフシャルブログ

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はじめまして
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インスタ映えする住宅デザインは本当に実用的?おしゃれだけど不便な設計の例と、現実的で失敗しない家づくりのコツをプロの視点で解説します。


こんにちは、本気不動産の佐藤です。
最近、家づくりの打ち合わせで「インスタで見たこんな感じの家にしたいんです!」という声をよく聞きます。SNSで見る家は確かにおしゃれ。まるでモデルハウスのようなデザインに憧れる気持ち、よくわかります。

ですが、インスタ映えする家が“住みやすい家”とは限らないのが現実。今回は、実際の施工現場で見てきた経験から、見た目に惑わされない家づくりの考え方をお話しします。


◆ インスタ映えデザインの実態とは?

インスタでよく見かける家のデザイン、多くは「写真映え」「動画映え」を目的に設計されています。建築会社からも「好きな画像を集めてください」と言われるのが当たり前の時代。

でもここに落とし穴が。SNSに出てくるデザインは、広い土地・予算・環境が前提のことも多く、都市部や日本の住宅事情には合わないケースもあります。


◆ 具体例とその課題、現実的な提案

以下に、よくある“インスタ映えデザイン”の例と、それぞれの課題・現実的な代替案を挙げていきます。

● 玄関正面の大きな窓

  • メリット:明るくて開放的

  • デメリット:隣家との距離が近いと丸見え

  • 提案:中庭を設ける、または高めの壁や植栽で目線をカット

● 仕切りなしの子ども部屋

  • メリット:開放的で柔軟に使える

  • デメリット:結局、仕切らずじまいになることが多い

  • 提案:引き戸で簡易的に仕切れる設計を初めから採用

● 間接照明つきのベッドボード

  • メリット:ホテルライクな雰囲気

  • デメリット:模様替え不可、照明交換も面倒

  • 提案:テープライトなど後付けタイプを検討

● 小上がり

  • メリット:空間に変化が出ておしゃれ

  • デメリット:結局使いにくい&掃除しづらい

  • 提案:収納付きで着脱可能なタイプを

● 勾配天井

  • メリット:開放感抜群

  • デメリット:施工コストが跳ね上がる

  • 提案:自然な三角屋根の形状を活かしてコストダウン

● スキップフロア

  • メリット:空間活用が上手

  • デメリット:階段が増えて高齢化に不安

  • 提案:リビング内のみの小規模導入が◎

● ニッチ(壁くぼみ収納)

  • メリット:壁面をおしゃれに活用

  • デメリット:サイズが中途半端で不便

  • 提案:あえて「飾る」用に割り切り、収納は可動棚や家具に任せる

● モニターを隠すスペース

  • メリット:生活感が出にくい

  • デメリット:使い勝手が悪くなる

  • 提案:隠すより“見せて美しく”整えるスタイルが現実的

● 吐き出し窓の多用

  • メリット:光が入り、外とつながる感覚

  • デメリット:断熱性が落ち、コストも上昇

  • 提案:一部フィックス窓にしてコストと断熱性を両立

● 上げ天井+間接照明

  • メリット:ラグジュアリーな空間演出

  • デメリット:掃除が大変、天井高制限あり

  • 提案:照明を照らす面積を絞る+掃除しやすい位置に設置


◆ 実用性とデザインのバランスが肝心

家は一生の買い物。デザインが良いに越したことはありませんが、「住んでからどうなるか」を考えずに見た目だけで決めてしまうと、後悔することもあります。

重要なのは、建築会社としっかり話すこと。理想の画像だけでなく、「この写真のどこが気に入ったのか」を共有することで、プロはもっと現実的な提案をしてくれます。


◆ 最後に:SNSに振り回されない家づくりを

インスタグラムの写真は、プロのカメラ・加工・演出がセット。現実とはかけ離れていることもしばしばです。

理想と現実のバランスをうまく取ること。
家具や照明は後からでも変えられます。建物の構造はそう簡単には変えられません。

後悔しない家づくりのために、「使いやすさ」と「将来性」を忘れずに、しっかり取捨選択していきましょう!


家づくり、インスタ映えだけで判断してませんか?
本当に満足できる暮らしを手に入れるために、見た目よりも“実用性と未来”を重視しましょう。