実家じまいの課題と対策:50・80問題とは? | 佐藤竜志 オフシャルブログ

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こんにちは。本気不動産の佐藤です。

近年、"実家じまい"という言葉が注目されています。特に「50・80問題」と呼ばれる、50代の子世代が80代の親世代の住まいをどうするかという問題は、多くの家庭で避けて通れないテーマです。

この記事では、親世帯と子世帯の間で起こる実家じまいの課題や、子どものいない世帯における問題点、そして放置した場合のリスクについて詳しく解説します。

 

 

 

実家じまいとは?

実家じまいとは、親が住んでいた家を整理し、売却・解体・賃貸活用などの手続きを進めることを指します。高齢になった親が施設に入居したり、子供が別の場所に生活基盤を築いたりすると、空き家の管理が大きな問題となります。

50・80問題とは?

「50・80問題」とは、50代の子世代が80代の親世代の介護や住居の整理を迫られる社会問題を指します。戦後の高度成長期に建てられた住宅が老朽化し、住む人がいなくなった結果、多くの家庭で「実家じまい」を考えなければならない状況が生じています。

この問題の背景には以下のような課題があります。

  1. 親が住み続けられない

    • 高齢になり、戸建て住宅の維持管理が難しくなる。

    • バリアフリー化されていない住宅では安全に生活できない。

  2. 子供が実家に戻らない

    • 仕事や家庭の都合で実家とは別の場所に定住している。

    • 戻る予定がなく、実家の管理者がいない。

  3. 空き家問題の深刻化

    • 誰も住まなくなった家が放置され、老朽化が進む。

    • 倒壊の危険性や不法投棄・犯罪の温床となる可能性。

親世帯と子世帯の間で生じる課題

それぞれの思いの違い

実家じまいは、親と子供の間で意見が分かれることが少なくありません。

親世帯の思い

  • 「できるだけ長く住み続けたい」

  • 「住み慣れた家を手放したくない」

  • 「子供に家を残してあげたい」

子世帯の思い

  • 「実家をどう管理すればいいかわからない」

  • 「親の介護や生活費を考えると売却も検討したい」

  • 「老朽化が進む前に早めに対策したい」

このギャップを埋めるためには、早めに話し合いを始めることが重要です。実家の現状を確認し、親の意向を尊重しつつ、無理のない解決策を見つけることが求められます。

 

子供のいない世帯の実家じまいの課題

子供がいない世帯の場合、実家じまいの判断を下すのはさらに難しくなります。兄弟姉妹がいない、もしくは疎遠な場合、実家の管理者が不在となるため、以下のような課題が発生します。

  1. 相続人不在の問題

    • 親が亡くなった後、誰が家を管理・処分するのか不明確。

    • 相続人がいない場合、自治体に管理が移る可能性がある。

  2. 遺言書や生前対策の必要性

    • 親の意向を明確にしておかないと、家の処分方法が決まらない。

    • 不動産の売却や活用について、親が元気なうちに話し合っておく。

  3. 管理者不在の空き家リスク

    • 近隣住民とのトラブル(倒壊リスク・害獣被害など)。

    • 固定資産税などの負担が増加。

実家じまいを放置するリスク

実家じまいの決断を先延ばしにすると、以下のようなリスクが高まります。

1. 空き家の老朽化と管理負担の増加

誰も住んでいない家は急速に劣化します。台風や地震で倒壊するリスクも高まり、最終的に解体費用が増加します。

2. 近隣トラブルの発生

荒れた空き家は、不法投棄や放火の対象になりやすく、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。

3. 固定資産税の増加

居住している家に比べて、空き家は固定資産税が高くなるケースがあります。長期間放置すると無駄な税負担が増えてしまいます。

実家じまいの対策と解決策

  1. 親が元気なうちに話し合う

    • 実家の将来について家族で早めに相談。

    • 売却・賃貸・解体の選択肢を整理。

  2. 専門家に相談する

    • 不動産会社や司法書士に相談し、適切な手続きを検討。

    • 遺言書や相続対策を準備。

  3. 売却・活用を検討する

    • 早めに売却することで資産を有効活用。

    • 賃貸やシェアハウス化を検討するのも選択肢。

まとめ

実家じまいは、親子間の意見の違いや管理負担の問題から、先延ばしにされがちです。しかし、放置することでリスクが増し、結果的により大きな負担を背負うことになります。

親が元気なうちに話し合いを進め、実家の未来について考えることが重要です。本気不動産では、実家じまいに関するご相談を随時受け付けています。お気軽にお問い合わせください。

参考リンク: