セフレから1日の間に2度も連絡があるなんて、考えたこともなかった。

「イった後の顔と帰り際の顔があまりにも違った気がして」というのが電話の理由らしかったが、セフレは私のことを意外と見ているのだな、と少し驚いてしまった。

理由を正直に話すことが出来るワケもなく、私はただ「いや、別に」と誤魔化すことでその場を凌ぐしかなかった。

関係性を変えないで欲しい。

セフレなのだから、セックスだけしていたい。家族の話や悩み事をお互い知らないから、ネガティブな感情をセックスすることで視点を逸らしたり忘れたり出来るというのに。

素直に話して、不安を押し殺す為にセックスしていたら、きっと私の口から出る言葉は彼の愚痴話にしかならないだろう。そしてそんな感情をネタに終わらないセックスを続けていたら、私は何か抜け出せない沼にハマるしかなくなるだろう。

先が読めなくなることこそが、私が1番避けたい顛末なのだ。

彼に逢えない寂しさのあまりに言ってしまいそうなくだらない言葉達を飲み込むには、セフレと再び会わないとこでしか回避出来そうにない。

泣いてしまえば、私が終わってしまいそうだ。