神光院の紅葉(6):色とりどりに―緑(1) | 京都と花と文学と

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京都洛北賀茂川周辺で撮影した四季折々の花の写真を,それぞれ花にまつわる文学や音楽、映画などの話を交えながら紹介します。

木漏れ日を受けて、闇の中で宝石のように輝く
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2010年11月29日午前9時半頃撮影




人間の目は不思議なもので、普段はほとんど美しいと意識せず、

従ってカメラを向けることのない楓の緑が、11月の半ばを過ぎ、

全体が赤く色づいてくると、まだ発色せず、緑のままの葉が美しく見えてきます。


同じことが、若葉や青葉の頃にも言えますね。

松や杉、特に京都の場合は、北山杉の暗い緑を背景に、

楓の若緑色の葉や、青葉の緑が太陽の光を受けて輝くと、

それは見事に見えます。

風邪が吹いて揺れると一層美しく見えます。


正岡子規は、すべての美の根源は「変化」であると言っています。

そう、楓の葉それ自体と周囲の環境の変化が、

それまで気付かなかった美しさに気づかせてくれるのです。


紅葉の美しさも、赤やオレンジ色、黄色の色それ自体の美しさもさることながら、

緑の色から一晩ごとに赤く変化していく、しかも、朝やお昼や夕方など光の変化、

雲の具合、風の吹き方などなど、様々な変化の要素が加わって、

楓の紅葉を美しくさせているのです。


正岡子規は、すべての美は変化に在りと言い切ったあと、

「私は、その変化の諸相とその美しさを俳句に詠み取りたい」とも言っています。

時々刻々変化していく宇宙の森羅万象の美を、

俳句というレンズを通して、心のカメラに写し撮りたい。

壮大な志ですね。


今年の紅葉シーズンは、赤やオレンジ色だけでなく、

緑のままの紅葉の葉にも意識的にカメラのレンズを向け、

様々な変化の諸相の中にあって、美しく輝く姿を写し撮ってみました。


いくつか綺麗に撮れたので、2回に分けて紹介したく思います。


お楽しみください。




緑から淡いオレンジ色まで、色合いの微妙な変化が絶妙
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2010年11月29日午前10時頃撮影




虫に食われてしまったことで、この葉に独特の美しさが出ています

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2010年11月18日午前10時頃撮影





一枚の葉にも無限の変化の相が現れています
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2010年11月21日午前9時半頃撮影