第三章
仕事と油断
~朝~
柚瑠「・・・結局寝れなかった」
あの後、それでも寝ようとしたが結衣が服を脱がしてくるのを必死で抵抗し
離れて寝ていたはずのゆりが布団に潜り込んできたり、さりげなく寝技をかけてきたり・・・
_その後もいろいろあったがここは割愛しよう_
二人はまだ寝ているようだ。
朝といってもまだ6時まえだ。
音を立てずに外に出る。
白虎「目が覚めたか」
白虎が姿を現す_柚瑠が寝るときは姿を消している_。
柚瑠「うん。寝れなかったけどね」
白虎「それよりやっておくことがあったな」
やっておくこと。
そう、昨日はやり忘れていたがこの世界の魔力平均_個人が持つ魔力の基本量_を自分と照らし合わせる。
これをやっておかないと昨日のゆりみたいに勘ぐられてしまう。
柚瑠(ゆりにはなんて言い訳しようかな・・・)
意識を集中させる。
柚瑠(あれ?ここの魔力少し不思議な感じがする)
僕の感じた感覚が白虎にも伝わったようだ。
白虎「この世界の魔力のもとが違うみたいだな」
柚瑠「・・どういうこと?」
白虎「俺らが元いた世界では各個人が決まった量を保持していたが、この世界は空気中に魔力が漂っている。正確には個人でも保持しているが微量でそれを空気中の魔力で補っている感じだな。」
柚瑠「なるほどね」
昨日感じた違和感はこれだったのか
確かにこの世界についたときから魔力が空気中に漂っていた。
となると、
柚瑠「どうしようかな?」
そう、空気中の魔力を僕は使うすべを知らない。
この世界の魔力平均は元の僕_魔王になる前_とかわらなかった。
それにあわせることは簡単だったが、そうなると魔力供給が少ないから何も出来ない。
白虎「あれならなんとかなるんじゃないか?」
柚瑠「あれ?あれって?」
白虎「お前の得意な封具で魔術回路を組めばいいだろ」
なるほどと思った。
柚瑠は封具を作る家系だった。
魔力こそ底辺だったが封具の開発は天才的だった。
四獣を封じている封具も柚瑠だから出来たともいえる。
柚瑠「となると、少しの間魔力を解放しないといけないな。」
魔力を解放するには町外れのここは絶好のが場所だったが、
柚瑠(二人がな~)
近すぎる、そう思っていたら
ゆり「あんたおきてたの?」
声がして振り返ると
寝間着姿のゆりがそこにはいた。
柚瑠(寝癖がひどいな、てかズボンはいてないし///)
僕は目をそらしながら
柚瑠「お、おはよう」
白虎「嬢ちゃん寝癖ひどいな」
ゆり「うそ!?まじで!?ちょっ、直してくる!」
そういうと足早に家に入っていく。
柚瑠「いったん僕らも戻ろうか」
白虎「そうだな」
封具はまた後においておく。
家に入ると結衣さんがご飯を作っていた。
結衣「あら、おはよう。早起きなのね」
柚瑠「おはよございます」
結衣「もうすぐ出来るから座ってて」
柚瑠「はい」
_____
______
朝食はパンとサラダとシンプルなものだった。
さて、この後どうしようかと思った矢先。
ゆり「あんたの仕事探さないとね」
唐突にいわれたから何のことかわからなかった。
ゆり「この世界では10歳をこえたら働かなきゃいけないの。」
この世界のルールだから仕方無いけど・・・
柚瑠「この世界の仕事って?」
ゆり「何でもありよ。需要があれば」
白虎「まじか?どんなんでもか?」
結衣「なあに?なにか出来ることでもあるの?」
白虎「そんなとこだ」
結衣「なになに?」
目をキラキラさせながら白虎ではなく僕に向けられた。
柚瑠「えっ?そ、それはー」
僕は悩んだ。それはそうだ、白虎がいっていた出来ることとは封具のことだ。
確かに何でもといわれたとき僕も思い浮かんだがそのためには魔力の解放が必須。
しかしまだ、この世界での魔力の使い方を熟知してないし、魔力を解放したままにするわけにはいかない。
悩んだ結果
柚瑠「じ、時間をください」
こうなった
結衣「たしかにそうよね。この世界を知った方がいいわよね。」
ゆり「まぁ、しかたないか。今日は好きにしなさい。」
柚瑠「ありがと」ニコ
ゆり「///」
白虎「ニヤニヤ」
ゆり「ちょっと!!」
柚瑠「うん?」
ゆりがなんでおこっていたのかわからなかったが自由な時間が手に入った。
柚瑠「とりあえず、出かけるのはお昼からにするよ」
ゆり「そう?ならちょっと手伝って」
柚瑠「うん?いいよ」
なにをやらされるんだろうと思ったら・・・
掃除だった。
確かにお昼からでかけるっていったのは掃除しようとしたからいい。
それはいいが・・・
柚瑠「・・・ゆり、なんで物置掃除?」
そう、そこは物置と化した部屋だった。
ゆり「決まってるでしょ、あなたの部屋作るの!」
なるほど・・・
声には出なかったがゆりは僕の顔を見て掃除を始めた。
しばらくして
ゆり「そういえばあんた」
柚瑠「なに?」
ては止めずに返事をする。
ゆり「昨日と魔力違くない?」
ガシャン!!
運んでいたいすを落とした。
柚瑠「そ、それは・・」
朝から聞かれると思っていたから構えていたが掃除に熱中していて不意をつかれた。
考えていた言い訳を忘れて慌てる。
柚瑠「えっと、そのね、あの・・・」
ゆりの視線が疑い始めたそのとき
白虎「それはな嬢ちゃん」
ドアから白虎が助け舟を出してくれた。
白虎「この世界に来て魔力が不安定になってたからなんだ。」
ゆり「どうゆうこと?」
ゆりの疑問に白虎は静かに語り始めた。
白虎「昨日俺らはこの世界にきただろ?」
ゆり「うん」
白虎「それで元いた世界と今いる世界では魔力のもとが異なっているみたいなんだ。」
ゆりは黙ってうなずく。
白虎「それでマスターの魔力が分散してしまったみたいなんだ。んでそれがまた戻ってきたってこと。」
ゆり「なるほどね~」
白虎の事実と嘘が混ざった説明がゆりを納得させた。
ゆり「ならあんたの魔力あたしより少し高いのね?」
白虎「そういえば嬢ちゃんはなんで魔力量がわかるんだ?」
確かに結衣さんには聞かれなかったことをゆりは聞いてきた。
僕と白虎が目を向けると
ゆり「私は他の人と違って魔力の感受性が高いのよ。相手の魔力がわかって便利なのよねこれ。」
僕は一瞬焦った。これはうかつに魔力の解放が出来ないと・・・
掃除が終わり
部屋が生活できる程度に片付いたのでお昼にすることになった。
ゆりはお弁当を仕事にいっている結衣に持って行くということで_いないと思ったらいつの間にか仕事にいっていた_ささっとお昼をたべでかけていってしまった。
ぼくもお昼を食べてでかけることにした。
____
______
僕はまず町を見ることにした。
それは、
白虎「魔力のことは後回しにして町見に行こうぜ」
との提案を僕はのんだ。
街に出てみると昨日は気づかなかった面白そうなお店がたくさんあった。
町の風景を見ていると魔法以外の武器や防具も売ってるんだな~と思った。
妖精や獣人やエルフ族なども見て取れる。
白虎「いろんな種族がいるんだな」
柚瑠「そうだね」
そろそろ魔力を解放できそうなところを探しにいこうとしたとき
ゴブリンがやっていたお店が騒がしかった。
白虎「なんだなんだ?」
柚瑠「いってみよう」
人ごみの中に潜り込んで最前列に出ると
ゴブリン「てめー人様の商品きたねーてで触ってんじゃねーよ!売れなかったらどうしてくれるんだ!」
エルフ少女「触ってないわよ!変な言いがかりはやめて!」
野次馬1「またあのゴブリンか」
野次馬2「あの娘も災難だな」
白虎「なんかすごいな」
柚瑠「そうだね」
白虎「おいそこの、いつもああなのか?」
野次馬1「おれか?ああ、そうなんだあのゴブリンはいちゃもんつけて商品を買わせるたちの悪いんだよ。あんたらも気をつけなよじゃあな。」
野次馬2「どうにかしようとしてるんならやめとけよお嬢ちゃん」
柚瑠「いやでも彼女困ってるし。それと男です。」
野次馬2「そいつはすまない。だけどやめとけあのゴブリン裏でヤバいやつらとつながっているって噂があるんだ。」
白虎「んなもんほっとけよ問題ごとはごめんだぜ。」
柚瑠「いやなんとかする」
頑固だった・・・
柚瑠は二人に近づいていった。
柚瑠「おじさん!」
ゴブリン「なんだ?」
柚瑠「彼女困ってるじゃないか、やめなよ」
ゴブリン「なにいってんだお嬢ちゃん?こいつがうちの商品汚したからこうなってんだろうが!」
エルフ少女「だから私じゃないっていってるじゃない!」
柚瑠は『お嬢ちゃん』の部分でイラッとしたところを押さえて
柚瑠「彼女もそういってるんだし、ね?解放してあげなよ。」
ゴブリン「うるせーな、ならあんたが買い取ってくれんのかい?」
ゴブリンが意地も悪い顔を浮かべる。
柚瑠「かわないよ、いらないし」
ゴブリン「ならお嬢ちゃんには用はない。どっかいけ!」
そういうとゴブリンはエルフ少女の腕をつかみどこかへ行こうとした。
柚瑠「やめろ!」
僕がてをのばしたそのとき
ゴブリン「うるせー!」
ゴブリンが切れて持っていた混紡で殴り掛かってきた。
僕はとっさによけたがそれがいけなかった・・・
ネックレスにしていた柚瑠の封具の一つがそれによって壊された。
白虎「ま、まずい!みんなふせろぉー!」
白虎は叫んだ!
いち早くみんなに危険を知らせたが・・・
遅かった。
魔王としての魔力を封じていた封具「刹那」
継承によって増えた魔力を封じていた封具が壊されリミッターが外れた。
それによりいくら魔力の制御が出来るようになっても
いきなりしかも他意で解放されてしまった魔力の制御が甘くなった。
その結果魔力が暴発した。
白虎「糞が!」
柚瑠がたっていた位置から少し近くいいた白虎がとっさに出せる限りの魔力を使い柚瑠の周りに結界を張った。
しかし、全ては押さえきれずに漏れた魔力があたりを所構わず破壊した。
柚瑠「まずい!」
その後、コントロールを取り戻した柚瑠が魔力による被害を抑えることに成功した。
柚瑠「はぁ、はぁ、はぁ、・・・」
ゴブリン「な、なんやったんやおどかしやがって。お嬢ちゃんがかかわることじゃなかったなぁ!」
ゴブリンはまた混紡を振りかぶった、はずだった。
しかしそれはかなわなかった。
ゴブリンは肘から先が無かったのだ。
ゴブリン「な、な、ななんなんだこれは!」
悲鳴にもにたその視線はこれをやったであろう柚瑠に向けられた。
その目に映ったものは右手をこちらに向けた柚瑠だった。
魔力を使い果たして横たわっていた白虎が
白虎「面倒のことしてくれたなおっさん。はぁ、けどまぁこれでおしまいだな。」
ゴブリン「な、なにいってやがる」
柚瑠はゴブリンに体を向けて歩み始めた。
ゴブリン「ひ、ひぃ」
柚瑠「おじさん悪いけど消えてよ・・・それとね、僕男なんだよね~」ニヤっ
ゴブリン「か、かんべn」
その瞬間音も無く消えた。
白虎(魔王状態のマスター容赦ね~背も伸びるし口調も・・それはそれとして)
白虎「おい、マスター」
柚瑠「なんだ、白虎」
白虎「お、おう。壊れた店や道直しちゃくれねーか?」
柚瑠「そうだったな」
そういって左手を突き出したその瞬間何事もなかったように元に戻った。
白虎「そういえばエルフの嬢ちゃんは?」
柚瑠「大丈夫だ、気を失っているだけだ。しばらくしたら意識も戻るだろう。」
そういいながらエルフ少女を抱え上げる。
白虎「野次馬の記憶消さなくていいのか?」
柚瑠「心配するなもうやってある。ぬかりは無いよ。」
白虎「そうだといいんだがな」
そういいつつ白虎も拾い上げ、
ゆりたちの家に向かってあるき始めた。
__
_____
_______
~事件の起きた近くの建物の陰~
建物の陰に隠れた二つの陰がそこにはあった
??「いまのって柚瑠?だよね」
??姉「そ、そうね。白虎ちゃんもいたし・・・」
二人は先ほどの事件を柚瑠の魔力暴走あたりで駆けつけた。
そこにいたのは柚瑠に似た青年と横たわる白虎だった。
しかし、遠目からだった所為ではっきりとはみえなかったが・・・
??姉「ちょっと確認してきてくれる?」
??「わ、わかったいってくるね」
??は現場に走っていったがどこも壊れていなかった。
目を離した隙に二人?はいなくなっていた。
近くにいた野次馬に話を聞こうとしたが
野次馬2「事件?なんのことだい?」
??「白い虎連れている子みなかったの?」
野次馬2「そんなの連れてたらいやでも覚えてるって。じゃあね」
??「どうなってんの・・・」
どんな魔法を使ったのか調べてみてもわからなかった
??(けど、ほんとうに柚瑠だったの?)
あのとき感じた魔力は柚瑠のものとは違っていた。
しかし、
??「柚瑠よね」
彼女は??姉への報告を忘れ家に向かって走り出した。
____
______
__________
続く