今日、4月に入って初めての在宅勤務の日。朝、目が覚めた瞬間、ほっとしたような気持ちと同時に、ずっしりとした疲れが体にのしかかる。「在宅は休みじゃない」と頭では分かっているのに、いつもの出勤がないだけで、体が勝手に「休みモード」に突入してしまう。カーテンを開けると、春の柔らかい陽光が部屋に差し込むけど、なぜか気分はどんより。歯が少し疼くような気がして、それがさらに気分を重くする。歯医者に行くべきか、ただの気のせいかと頭の中でぐるぐる考えてしまう。
朝はコーヒーを淹れ、トーストを軽く食べてスタート。散らかった机の上の書類や、キッチンのシンクに溜まった洗い物を片付けることから始めた。こういう日は、ちょっとした家事をすることで「ちゃんと動いてる」感を出したいんだけど、片付けが一段落すると、そこで完全に力尽きてしまう。ソファに座って、スマホで仕事のメールをチェック。急ぎのものは返信したけど、それ以外は「後でいいか」と先延ばし。結局、ソファに寝転がって、ぼんやりと天井を見つめる時間が長くなる。春の陽気が、なんだか体をだらけさせる。
在宅の前日までは、いろいろと意気込んでいた。時間があるならジムに行って汗を流そう、昼は野菜たっぷりのちゃんとした料理を作ろう、近所を春の散歩でもしよう、なんて。あれこれ考えるのは楽しいけど、実際にその日になると、体がまったく動かない。頭では「やらなきゃ」と思うのに、ソファの居心地が良すぎて、ついダラダラしてしまう。昼ごはんも、冷蔵庫の残り物を適当につまんで終わり。料理の予定はどこかに消えてしまった。
夕方、仕事から帰ってきたパートナーが「晩飯どうする?」と聞いてきたとき、正直、自分には作る気力がゼロだった。デリバリーかカップ麺で済ませようかと思っていたら、パートナーが「じゃあ、適当に作るよ」とキッチンに立ってくれた。冷凍庫にあったハンバーグを焼き、炊飯器のご飯を温め、冷蔵庫に残っていた惣菜を並べて、シンプルな晩御飯を用意してくれた。食卓に並んだハンバーグの香ばしい匂いと、残り物の惣菜の素朴さが、なんだかほっとする。二人で他愛もない話をしながらご飯を食べていると、今日の自分のダラダラっぷりも少し笑い話になる。パートナーのさりげない優しさが、心まで温めてくれるようだった。
食後は、明日の旅行の準備を少しだけ進めた。早朝出発だから、荷物をまとめておかないと。でも、準備すら億劫で、最低限のものだけバッグに詰めて終了。旅行は楽しみだけど、準備の段階で既に疲れた気分になるのはなぜだろう。きっと春のせいだ。春の陽気が人をだらけさせるんだ。そうやって、全部を春のせいにして、自分を甘やかしてしまう。
夜は、明日の早起きを言い訳に、いつもより早くベッドへ。布団の中で、今日何もできなかったことへの小さな後悔と、パートナーの作ってくれた晩御飯への感謝が混ざり合う。窓の外から聞こえる春の夜の静けさに、少し心が落ち着いた。明日からはまた切り替えて、旅行を楽しもう。そんなことを思いながら、眠りに落ちた。