今日も仕事が終わって、なんだかドタバタした一日だった。夕方、オフィスでは恒例の「一杯会」があった。新人や異動してきた人が初日に顔を合わせる、軽い歓迎会だ。ビールやカクテルを片手に、皆で和気あいあいとやるのが定番。とはいえ、うちのチームはちょっと独特だ。派遣のメンバーが多いせいか、なかなか輪の中心に飛び込んでいく人が少ない。積極的に話す人もいれば、静かにグラスを傾けてる人もいる。そんな中、チームのリーダー格として、俺は一通り皆に声をかけて回った。新顔と軽く会話して、緊張をほぐそうと笑顔で話しかける。誰かがポツンとしないように、つい気を遣ってしまう。
でもさ、正直こういう場ってちょっと疲れる瞬間もある。心のどこかで「いつでも辞めてやる」なんて思ってるくせに、結局こうやって気遣っちゃうんだよな。この性格、ほんと嫌になる時がある。もっとサバサバできたら楽なのに、なんて思いながら、ビールを煽ってた。
一杯会が終わった後、高田馬場へ向かった。10年近く会ってなかった友人と、久しぶりに飲みに行く約束をしていたからだ。こいつとは若い頃、いろんなバカやってた時期もあったけど、なんか価値観が合わなくて、だんだん疎遠になってた。彼はゲイライフを全力で楽しむタイプで、いつも「今」を生きることに全振りしてる感じだった。それ自体は嫌いじゃない。むしろ、そういう生き方ってある意味眩しいくらいだ。でも、俺はどうもそこに馴染めなかった。当時の俺は、将来のこととか、これからどう生きていくかとか、もっと具体的な話がしたかったんだよね。彼の話はいつも夢物語っぽくて、ファンタジー聞くのは楽しいけど、「で、実際どうすんの?」って部分が薄い気がしてた。聞きたいことは山ほどあったけど、当時はそんな深い話、できなかった。
それが今回、ひさびさに連絡がきて、せっかくだから会ってみるかと。お互いもうアラフィフだし、どんな風に変わったのか興味があった。どんな悩みを抱えてきたのか、これから何を考えて生きていくのか。ちょっと期待してた部分もある。
高田馬場駅近くの居酒屋で待ち合わせ。店に入ると、懐かしい顔がそこにあった。変わらない笑顔と、でもどこか落ち着いた雰囲気。話してみて、びっくりしたよ。昔の彼とは全然違ってた。昔は「今」をひたすら楽しむ話ばかりだったのに、今はちゃんと将来のこと考えてんだなって。老後のプランとか、仕事のこれからとか、なんかリアルな話をしてくる。良くも悪くも、自分を大事にしてるのは変わらないけど、ちゃんと地に足つけてる感じがした。昔はファンタジーみたいだった夢の話も、今は「そのためにこうしてる」って具体性があった。それがなんか、嬉しかった。お互いアラフィフになって、ちゃんと変わってるんだなって。
昔話にも花が咲いて、若い頃のバカなエピソードで爆笑したりもした。でも、今回の飲みはそれだけじゃなくて、なんか心が通じ合った気がした。価値観が合わなくて疎遠になった時期もあったけど、今こうやってまた話せるのは、素直に良かった。彼の変わった部分を見て、俺もちょっと刺激を受けたかもしれない。これからどう生きていくか、改めて考えるきっかけになった。
帰りの電車で、ふとパートナーのことを思った。うちのパートナーとは、将来のこととか老後のプランとか、ちゃんと話せる。それがどれだけありがたいか、今日の飲みでまた実感した。パートナーはいつも現実的で、夢だけじゃなく「じゃあ、どうする?」って具体的に考えてくれる。それが俺にはめっちゃ大事なんだよね。
家に着いたら、パートナーはもうベッドでちゃんと寝てた。リビングの明かりも消して、静かな寝息が聞こえる。ベッドの端でスースー寝てる姿見てたら、なんとも言えない愛おしさがこみ上げてきた。普段は忙しくて、こんな風にじっくり感じる瞬間って少ないけど、今日はなんか特別だった。この人と一緒に、将来のこととかちゃんと話しながら生きていける。それだけで、なんか心が落ち着く。
長い一日だったけど、なんか温かい気持ちで終われた。明日も、マイペースで頑張っていこうかな。