1. I Can't Stand To See You Cry
(Johnny Bristol/Wade Brown, Jr./David Jones, Jr.)
2. Theme From Love Story
(Frances Lai/Carl Sigman)
3. We've Come Too Far To End It Now
(Johnny Bristol/Wade Brown, Jr./David Jones, Jr.)
4. Flying High Together
(Johnny Bristol/Wade Brown, Jr./David Jones, Jr.)
5. With Your Love Came
(Johnny Bristol/Wade Brown, Jr./David Jones, Jr.)
6. It Will Be Alright
(Stevie Wonder/Syreeta Wright)
7. Oh Girl
(Eugene Booker Record)
8. You Ain't Livin'Till You're Lovin'
(Nickolas Ashford/Valerie Simpson)
9. We Had A Love So Strong
(Stevie Wonder/Syreeta Wright)
10. Got to Be There
(Elliot Willensky)
11. Betcha by Golly, Wow
(Thom Bell/Linda Creed)
Originally Released July 27, 1972
Produced by Johnny Bristol
and William “Smokey” Robinson
このアルバムのタイトルになっているFlying High Togetherは、
Marvin Gayeの歌の一節でもある。
60年代にMotown Recordsを代表する男性シンガーとして
活動してきたマーヴィンは、1971年になって、
What's Going Onを発表し、Stevie Wonderと並んで、
あの時代を象徴するアイコンの1人となった。
他方モータウンのプロデューサー/ソングライターで、
The Miraclesのリード・シンガーでもあった
Smokey Robinsonは、The Miraclesの作品よりも、
同レーベルのMary WellsやThe Temptations、
Marvin Gayeといった歌手のパフォーマンス、
或いはThe Beatlesによるカヴァという側面から、
スモーキーという存在にたどり着く。
この構図は、Peter, Paul & MaryやThe Byrds、
The Bandらの演奏を通じて、Bob Dylanに
たどり着くのと同じです。
日本でいえば、細野さんがそういう存在です。
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Flying High Together
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そんなスモーキー在籍時最後のThe Miraclesのアルバムは、
彼がレコード・プロデューサー、ソングライターから離れ、
グループのシンガーとして取り組むものになった。
勿論、デビュー以来初めての試みだ。
John LennonにはRock 'n' Rollというアルバムがあり、
Paul McCartneyにはKisses on the Bottomが、
そしてBob DylanにはSelf Portraitや
Shadows in the Nightという作品がありますが、
それらと、このThe Miraclesの作品との違いは、
ディランのレコードが象徴するように、
セルフ・ポートレートになっているかどうかだ。
ジョンやポール、ディランは、たくさんのカヴァを
取り上げることによって、自分という歌手は
こういう要素から出来上がったんですよと、
いわば履歴書を上梓したわけです。
そしてカヴァであるにもかかわらず、本人の作品と
同じように、パーソナルなものとして捉えることができる。
The Miraclesは1970年に、カヴァ曲で構成された
What Love Has…を既に出していますが、
それを拡大するべきだった。
そりゃ、Johnny Bristolは大活躍しているし、
Stevie Wonderも2曲を提供しているし、
Jackson 5やThe Stylisticsのカヴァも入ってるしと、
聴きどころはあるわけですけど、
そういうのはThe Miraclesじゃなくてもいいでしょ。
何せモータウンを作り、The Beatlesにすら
多大な影響を及ぼしたSmokey Robinsonの、
The Miraclesでの有終の美ということになれば、
いっそのことディランがSelf Portraitでそうしたように、
2枚組のカヴァ曲集を作った方が、遥かにましだった。
かつてMarvin Gayeとともに、The Moonglowsの
Harvey Fuquaに見出されてモータウンにやってきた
Johnny Bristolであればなおさら、
草創期から70年代にかけての、ドゥーワップと
ソウル・コーラス・グループに焦点を絞れたはずだ。

