福島県の会津若松市の酒蔵、鶴の江酒蔵の「会津中将 夏吟醸」です。
ラベルも瓶も、控えめな夏の色と柄。
お酒の味はというと、なんともいえず涼やかです。
美人杜氏さんがつくったお酒は、主張する事なく、するするっと知らぬ間に喉を通り過ぎてゆくようです。
これぞ夏酒美酒。
お料理にもあうし、酒の肴なしでも、両方イケます。
鶴の江酒蔵の杜氏さんが女性だというのはともかく、なぜ美人なのかわかるのか、というと、お会いした事があるから。
コロナ禍の前、会津若松市の七日町にある鶴の江酒蔵さんで杜氏さんからいろいろお話を伺いながら、試飲をさせて頂くという素敵な体験をしました。
お酒の味との相関はわかりませんが、控えめな感じで、キリッとした所作が素敵な方でした。
一般企業では「ダイバーシティ」が当たり前のように言われるようになった昨今、
京都の木下酒蔵のハーパーさんや、こちら、鶴の江酒蔵のゆりさんなどは、本当に数少ない業界のパイオニアなんだと思います。
飛騨高山の幼馴染のおうちは、今はなくなってしまった江戸時代から続く、造り酒屋。
上一之町にあった大きなオウチの裏に、薄暗い蛍光灯にぼやっと照らされた酒蔵の入り口がありました。
冒険気分で、友人と一緒にこっそり覗くと、何人もの杜氏さんが大きな木桶の上に立ち、木のへらのようなもので、中のお酒を撹拌していて、お酒の湯気だったのか、寒い時期、もうもうと湯気があがっていた景色を覚えています。
その時、友人から「ここからははいったらいかんのやよ」と。
今思うと、女性が入ってはいけない境界線が、酒蔵にあったのだと思います。
今日の料理酒(りょうりしゅじゃないよ、料理をしながら飲むりょうりざけ)は、もちろん会津中将の夏吟醸。
酒の肴は、さつまいもとレーズンのサラダ。
昨日、西荻「オルガン」のテイクアウトで、贅沢しちゃったので、今日は野菜中心に。
蕪の煮物、ナスの煮物、さつまいものサラダ、卵とトマトの炒めもの。
ダンナくんが鍋の蓋を空け「かぶ、なす。。。」と、ぼそぼそつぶやいていたので、「食べたくないなら食べんでよし!」と令和の昭和オヤジと化しそうになりました。