迷い犬・ 痴呆犬・ ムクちゃん | どんくん日和

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日々のこと。
どんくんのこと。 お弁当のこと。





6年ほど前の出来事です。

運転しているどんくんママ。何かを避けて走り去る前方のトラック。

見るとそれは、雨の中 立ち尽くしている 1匹の薄汚れた 白い犬でした。


首輪をしてる・・・老犬だ、呆けちゃってる子だ・・・すぐにわかりました。


痴呆の愛犬、ぎゅうちゃんを 看取って間もない頃だったから。

このままじゃ、ひかれちゃう・・・。

ハザードランプを点滅させ 雨の中、その子に近づくと首輪のリードが切れていて。

おとなしくしていたので、首輪を持って車に乗せて。

白い犬もびしょ濡れ。どんくんママもびしょ濡れ。

やっぱり 痴呆の犬だ。 かわいい。

"ムクちゃん“ 勝手にそう呼び、警察署に連れて行き引き渡しました。

その後、ムクちゃん大丈夫かな、ごはん食べたかな、飼い主さん 迎えに来てくれるかな・・•と気になって仕方なく。 翌日、 警察署に 引き取られたかを聞きに伺うと

「 こんなにヨボヨボの犬だと 恐らく飼い主は 来ないでしょう。」 と。

捨てられたっていうこと? また翌日も、ムクちゃんに会いに行きました。

警察署で預かる期限は決まっていて、引き取りがない犬猫は保健所へ。

痴呆の犬を飼うのは大変だと、ぎゅうちゃんで身に染みてわかっているしもう2度と犬は飼わないと決めたけど・・・

ムクちゃんの頭を撫でながら、あと何日ですか、もし、引き取りがなかったら、私、引き取るか、預かること出来ますか?そう聞いていました。


「 血統書付きの犬でさえ引き取りがない事が多く、雑種でこんなヨボヨボで、大変だよ、気持ちはわかるけど悪いことはいわない、やめなさい。」
担当の方はそう優しく止めて下さいました。

引き取りがないまま、お昼には保健所へ連れて行かれるという日、どんくんママは 片付けたばかりのぎゅうちゃんのケージを組み立て直し、ムクちゃんを迎える準備をしました。
よし、行こう! ・・・ 車に乗ると携帯の着信。 警察署からでした。

「 先ほど飼い主が引き取りにみえました。 どんくんママさんにお電話いただきたいそうです。」と伝えられた電話番号。


飼い主? 引き取り? 捨てられたんじゃなかったんだ。
なんでもっと早く探してあげなかったの!?大事な子じゃないの?!
引き取りが遅かった理由をどうしても聞きたくて、電話をかけてしまいました。


すると、 飼い主さんは、いなくなった日からずっとムクちゃんを探し回っていて、どこを探しても見つからず、それでも探し続けていた。
保健所に問い合わせても、市役所に問い合わせても、見つからず、最後に、もしかしたら警察署!?と思い問い合わせたところ、やっと、見つかった、という事でした。


良かった、ムクちゃん、捨てられたんじゃなかったんだ、 大事にされてる子なんだ・・・
嬉しいのとホッとしたのとで 涙が止まりませんでした。


警察署の方から毎日会いに来て引き取ろうとしていた事を聞かれたようで、飼い主さんはお礼を言って下さいました。
どんくんママも飼い主さんに「 探して下さって、引き取りに来て下さって、本当にありがとうございました、ムクちゃんを、これからもかわいがってあげてください。」と伝えました。


本当に良かった、ムクちゃんが幸せで良かった。帰るお家が温かくて良かった。


数日後、「 クーンと鳴いたので、側へ行き撫でている時にそのまま静かに息を引き取りました。 本当にありがとうございました。」 と飼い主さんからの電話。
ムクちゃん、虹の橋へ行ったんだね。

ぎゅうちゃんを亡くし、もう2度とペットは飼うまい、と思っていたどんくんママ。
このムクちゃんとの事をきっかけに、後にどんくんがお家へやってくることになったのです。

ちなみに ムクちゃんの本当の名前は、 アコちゃん でした( 笑 )



もし、自分や知り合いの大事な子が迷子になった時は、保健所、市役所だけでなく警察署にも問い合わせ!です。
そして迷い犬を発見、保護したら 警察署、保健所、市役所などに連絡を入れること、どんくんママも警察署だけではなく、保健所、市役所などにも連絡すべきでした。 連携しているとばかり思っていたのが間違いでした。 反省 (・_・;)
あと、ムクちゃんのようにおとなしい子ばかりではないので むやみに触れるのは危険、これまた反省 (・・;)



今でも時々、ムクちゃんの事を思い出しては "良かったね“ とつぶやいてしまいます。
どんくんと出会うきっかけを作ってくれたムクちゃんに感謝。
ムクちゃん、虹の橋で、元気でね!
ぎゅうちゃんに会えたら、よろしく伝えてね。









「 どんくんの でばんが なかっただのね 」 どんくん