ケロりんさんと、「古高シナリオの誤字脱字が許せない」というやり取りをしてたんですが、
誤字じゃないけど同シナリオ中に『枡屋』と『桝屋』の二種類の表記があるのはなぜだ、どっちが正しいんだ、つーかどっちかに統一したらどうなんだ!
と彼女が熱く語りだし、そういや自分も気にはなってたんだけど、統一するなら『枡』『桝』どっちにするのが適当なのかと悩んだので調べてみました(暇人だな、おい)。
何も考えず、倭名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう、平安時代中期に作られた辞書)を引いたら、『升』は記載があって、『麻須』とありました。

風間書房刊 正宗敦夫 編纂校訂
『倭名類聚抄』巻十四、四 表
つまり『升』は『ます』と読みますよーと教えてくれて、意味は要するに計量の単位だと。
でも『舛』『枡』『桝』は記載なし。
あと手近にあった字書『新撰字鏡(しんせんじきょう、平安時代に作られた漢和辞典)』見たけど、写本三種類とも記載なし。
当たり前です。
『舛』『枡』『桝』は国字(日本で作られた、中国にはない日本だけで通用する漢字)なんだそうで。
そりゃ音読みがないんだから、漢(=中国語)和辞典には載ってないよな…日本固有の字なんだもんな。
おとなしく、漢語林を引きました。
したらば、本来は『升』なんだけど、これは『ショウ』と読んで単位としても使う文字なので、計量器としての『ます』はそれと区別して、材料の『木』を偏としてくっつけて、『枡』という国字が作られた、と。
じゃあ『舛』は何だ、ということになりますが、『升』は崩し字で書くと『千』という字に似て紛らわしいので『舛』という異体字ができたんだそう。
それに伴って『桝』という国字の異体字もできたらしいです。
だから、正しいというか古くからあるのは『升』『枡』で、『舛』『桝』は後から出来た異体字だと。
画数多いから『舛』『桝』のが正字かと思ってたら逆でした!
まあでも、固有名詞(ますやさんの場合は屋号)は好きな字を選んでたり、江戸時代は読みが一緒なら当てる字は適当だったりするから、どっちが正しいかは結局不明なんですけどね。
何らかの公的な文書にこの『ますや』が載っていれば、そこで使われている字が正式なのかなあという推測はできると思いますが…
地名でも『升』『枡』『桝』で揺れているところは多いみたいです。
統一できてないらしいです。
ってことは、艶が~るの『ますやさん』も、どの字を当てるのが正解なのかは分からない。
書く人の好みに拠るとしか言い様がないみたいです。
とりあえず、どれでもいいけど統一はしてほしいです。
※ちなみに我が家には、夫の職業柄(国語教師ですが、一応w国文学者の端くれなんですよ彼は。名前で検索したら論文出てくるし)、
あーんど私も一応そっち系を目指していたので、大学図書館にあるような専門書が(上代国文学関係だけですが)揃ってるんです。
だから倭名抄も字鏡もちゃんとしたものにあたってますよー。
きっちり調べたんだからね!という主張でした☆
つーかね、マジで本が多いんですけど。
この異常な量の本があるために、四人家族なのに分不相応な広さの家に住まざるをえないんですよ!
広いといっても所詮賃貸ですけどね。
まだまだ引っ越す予定があるんでマイホームは買えません。
資金もないしww
私たち夫婦が死んだらどうしよう、この専門書たち。
子どもたちも、国文学の道に進まない限り要らないだろうしな。
ある意味『負の遺産』かもしれません(笑)
それ以外にも、お互いの趣味の本(私のは最近、幕末関係の書籍が一気に増えたw)だの漫画本だのピアノや合唱の楽譜だの、子どもたちの絵本も増える一方だし、『めばえ』とかも毎月ねだられて買っちゃうし!
本は捨てられないんだよな…
地震がきたら、本に埋もれて死ぬ可能性が非常に高いです…。