ドン・キホーテの権限委譲は本当に徹底していると思います。どういうところから徹底しているかを読み取っているのかというと、ドン・キホーテの従業員はその働いている年月にかかわりなく、権限をしっかりと最初から委譲されているのです。これは一体どれくらいすごいことなのでしょうか。ベテランになってから商品を仕入れる権限を与える。というのがかつての日本が持っていた商習慣です。仕入れを間違ってしまうと、不良在庫となり、経営を圧迫するであろうという考え方が前提にあるためとなります。しかし、ドン・キホーテはこの考えを撤廃し、自分で商品を仕入れ、販売した方が商売人としての成長をもたらすだろうという視点から、権限を徹底して委譲しています。今回のブログでは、この権限委譲のシステムについて話をしたいと思います。

 

『販売の嫌いな社員はいても、仕入れの嫌いな社員はいない。どんな社員でも仕入れは大好きだ。だってそうだろう。言葉は乱暴だが人(会社)の金で物を買っていいのだ。身銭を切らずに好きな物を買っていい、といわれるのだ。これほど気持ちのいいことはない。』

 

これを面白いと思える人がドン・キホーテに集まっているのではないでしょうか。実際、この仕組みを組織で行なっているから、面白い人材も集まりやすいのかもしれません。

 

『ドン・キホーテでは、入社2、3か月で社員に売り場のすべてを任せるスタッフ商店主システムを採っている。社員を1軒の商店の店主とみなすシステムで、このときから社員には仕入れ権限が与えられる。するとみんな、仕入れ権限を使うわ使うわ、どんどんいろんな物を仕入れてくる。』

 

これは、まさに論より証拠というような状態ではないでしょうか。実際に、仕入れて販売をしなくてはいけない商店主システムがそこにあるからという背景もありますが、確かに人は、販売は嫌いでも、仕入れは好きなのではないでしょうか。このような本質的な部分をきちんと把握し、それを仕事に活かしているからドン・キホーテは強い企業なのだと私は思います。

 

※下記著書より一部抜粋

著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ




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