ドン・キホーテにとっては、人材を大切にしているという文化はそろそろ定着したのではないでしょうか。実際に過去にドン・キホーテは優秀な人材が取れないという時代背景もありました。それは安田氏がたった一人で企業を立ち上げ、周囲の優秀な企業と競争していた時期があったから、つまりベンチャー企業の時代を経ていたからだと思います。どうしてもブランディングされた企業と比較すればドン・キホーテという企業は創業してから長いわけでなく、頼りない企業に見えてしまうのは仕方ないことなのだと思います。では、そんなドン・キホーテはゼロサム時代にどのようにして対策を講じているのでしょうか。その点について今回のブログでは紹介をしたいと思います。

『このような時代には、物を売るための工夫はさして必要ない。するべきことは商品を仕入れ、在庫切れがないように管理することだった。メーカーはとにかく量産態勢を築き、販売店は販売の規模拡大を狙っていればどんどん成長できた。メーカーが販売店の系列化を図り、全国的な規模拡大をめざしたのもこの時代のことである。』

時代が変われば大きく施策内容も変わってくるとは思います。その時代に応じた適切な一手を考え、打っていかなければ企業は成長することはできません。

『それはシェア=市場占有率という言葉に表れているように規模拡大こそが企業経営の最大テーマであり、実際に拡大によるスケールメリットは収益の向上にさまざまな効果をもたらした。
この拡大策はスーパーのチェーン展開に端的に表れているが、拡大イコール収益という基本的な構図は昭和30年代からバブル崩壊まで、経済を支える絶対的なセオリーだった。物がいき渡れば、モデルチェンジ、性能アップ、多機能と、商品の魅力度を強化し、それが頭打ちになると、今度は感性だとか、付加価値だとか気分といった別の評価方法をあみ出して、消費者の物欲を刺激し続けてきた。』

このような時代の基本戦略は消費の拡大だったのではないでしょうか。つまり、今まで信奉してきたシェア至上主義によって巨人化した組織とシステムは、この消費拡大によってしか維持できないこともまた事実だったのだと思います。

※下記著書より一部抜粋
著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ



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