ドン・キホーテの決算を見てみると、その経常利益率の高さに驚いてしまうのではないでしょうか。実際に競合他社の利益率と比較をするとその高さは圧倒的で、世間を賑わせるほどのインパクトが実際にあるのではないでしょうか。では、どのようにしてこの高い利益率を叩き出しているのでしょうか。今回のブログではこの点について話をしていきたいと思います。

『ドン・キホーテは、96年度5.9%という高い経常利益率を誇る。この数字は日経流通新聞によると、総合ディスカウント・ストア中ナンバーワンである。そこには高収益率を生むいくつかの秘密がある。
ひとつには、これまで見てきたように、仕入れに独自のノウハウを持ち、原価を抑えているということだ。仕入れのノウハウを徹底して磨いているのは、本来お客さまに安い商品を提供するために始めたことだが、それが結果として経費を抑えることにもなっているわけだ。』

そもそも5.9%という経常利益率は異常値であるとも言えるくらい流通小売業界は驚いたものだと思います。何をしてこの利益率が叩き出せているのか、理解していない人がほとんどだと思います。原価を抑えると言っていますが、たったそれだけのことでこれほどまでに高い利益率を創出できるのかというとほとんどの人が疑問を持つことでしょう。

『もうひとつは、深夜営業をしているために、店を開くためのオープニングコストや開発のためのイニシャルコスト、家賃などの経費率が下がることにある。この深夜営業のメリットは後で詳しく説明するが、営業時間の延長は一般に思われているように経費率が上がるのではなく、逆に下がるのである。深夜営業も仕入れ同様、本来はお客さまの要望に応えるために始めたことだが、経費率の圧縮という効果を生んだ。』

この経費率が下がる根拠はもう少し詳しく見ていかないとわからないのかもしれませんが、実際に深夜営業のメリットがしっかりとここでも出てきているのが事実ということだと思います。

『また、先にも述べたように、深夜営業をしているために、チラシを打たなくてもクチコミで存在が認知されるというメリットもある。このクチコミやマスコミによる取材を広告宣伝費に換算すれば、かなりの金額に上るだろう。
圧縮陳列を採用していることも大きな要因だ。これは売り場に面白さを演出するための手法だが、横だけでなく縦方向にも膨大な量の商品を陳列するため、坪効率が格段に高くなる。これはイコール単位面積当たりの売上げ向上を意味するから、経費率が低くなるわけだ。』

※下記著書より一部抜粋
著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ