前回のブログではドン・キホーテの仕入れの掟について話をしてきました。実際に仕入れとして関わっている商品供給先には現金での支払いを徹底しているなどのドン・キホーテルールがしっかりとあることを紹介してきました。今回のブログでは前回に引き続き、ドン・キホーテの仕入れの掟について紹介をしていきたいと思います。

『仕入れには、安くなる最適な量というものがある。たくさん仕入れれば仕入れるほど安くなるように思われがちだが、実はそうではない。需要が供給を上回った場合、価格は高騰する。定価1980円のたまごっちが闇価格で3万円というのがこれだ。さらに、相手の能力以上の量を仕入れようとすると、仕入先は新たに商品を調達したり、生産工程を増設したりしなくてはならなくなり、これもかえって高くついてしまう。だから4番目の「ある程度まとまった量を仕入れる」はあくまでも「ある程度」というところがポイントになる。』

仕入れは量を多くすればするほど、その仕入れの一つあたりの単価が下がっていくものだと認識している人は多いのかもしれません。しかし、商品の製造には安田氏がいう通り適正な量というものがあります。この適正な量を見極め、仕入れをすることが重要になります。

『5番目の「売り込み着手容易性」とは、言葉はむずかしそうだが売り込む手間を相手にあまりかけさせないということだ。商品を買う場合、さまざまな書類を書かせるなど、仕入先に細々とした手続きを要求するところがかなりあるが、その手間は当然仕入れ価格に反映する。それを簡素化すれば、相手はよりたくさんの仕事ができるわけで、これも仕入値は安くなる。』

仕入れをする相手ももちろんですが、人間です。多くの手間が仕事に発生するようであれば敬遠するようになります。お互いにとってあまり辛くならないよう仕事を工夫する必要があるのではないでしょうか。

『これらは、いわれればみんな当たり前のことのように思われるだろう。だがこれらの方法は、素早さと自在さ、一言でいえば臨機応変さが要求される。そのため、管理に重点をおく流通業界では相当にむずかしい手法であり、5つのすべてを実行している企業は、ほとんどないといっていいだろう。』

※下記著書より一部抜粋
著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ