ドン・キホーテは急激な成長によってその店舗数や業績を拡大してきた小売業です。もちろん、様々な失敗を経て大きな成功を勝ち取ってきたのですが、ドン・キホーテがどのようにして成長してきたのか、そういった背景について今回のブログでは取り上げたいと思います。

 

『1号店の府中店開設以来9年間でドン・キホーテがドン・キホーテとして維持成長していくためのノウハウの基本的構築は終わった。郊外から始まった出店も新宿という都心にまで到達した。これからがドン・キホーテにとっての本格的規模拡大、いよいよ外へ打って出る時期となる。』

 

1号店から9年間という期間を経てドン・キホーテは新宿という日本一の繁華街に店舗を出店させることになったのですが、これを遅いと思うのか早いと思うのかはそれぞれの判断によって違うと思います。しかしながら、なぜこれほどまでにドン・キホーテの安田氏は時間をかけていたのでしょうか。

 

『新宿店はこれまでの郊外型の店舗と違い、1店で100億円、150億円の売上げを上げられるだけのスケールを持つ店だ。新宿店がオープンしたことによって、ドン・キホーテは資金の分母を一気に大きくすることができる。』

 

新宿店がどれほどの大きな影響を持っているか、考えられない人は少ないと思います。というのも間違いなく日本で一番有名な繁華街ですし、日本全国どこにいてもその名前を知らない人の方が少ないのではないでしょうか。

 

『それならば、なぜ最初に新宿に出店しなかったのだと思われるかもしれない。それは最初から新宿に店をオープンするだけの資金も人材もノウハウもなかったからである。力が足りなかったということだ。しかし、もう少し早い時期に出店することはできなくはなかった。最初はむりでも、3店目、4店目ならなんとかなったかもしれない。だが、あえて都心に進出する時期を見送ったのだ。』

 

このあえて都心に出店する時期を見送っていたというのが、あとあとわかることになりますがいかにも安田氏らしい戦略だなと思います。

 

※下記著書より一部抜粋

著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ