デパートの「定置網」商法はドン・キホーテの安田氏がいう通り、古い商法だと私も思っています。かつての日本ではモノが不足しており、様々なモノをデパートで取り扱うから、多くの人にとってデパートで買い物をすることは憧れであり、休日になると家族揃ってデパートに足を運んだのではないでしょうか。今回のブログでは、前回に引き続きデパートの定置網の商法について触れていきたいと思います。

 

『お客さまの心が離れてしまった理由には、いろいろある。

まず、品揃えが陳腐になってしまったことが挙げられる。紳士服や家電のような専門量販店は、その分野の商品しか置いていないかわりに、その分野のものならほとんどが揃う。しかも、デパートより価格が安い。その結果、専門量販店によっていくつかのカテゴリー、つまり商品分野を奪われてしまった。

デパートは、「100貨店」が「50貨店」「40貨店」になってしまい、カテゴリーの集約性という魅力も失われてしまったのである。』

 

他店と差別化を図り、お客様に満足をしてもらうことは商売をする上で非常に重要なことだと思います。そのような中で競合企業に有利な点を見出されてしまったのでは、自然と客足が遠のいてしまうのは当然の理屈だと思います。

 

『それはデパートが基本的に委託取引、つまりメーカーに売り場を貸して商品を売らせるという「箱貸し」だからだ。つまり、デパート商法というのは物販業というより、一等地の場所を賃貸しする大家商法なのである。

メーカー自身が出張って商品を売るのだから、デパートにとって商品が売れ残ってしまうリスクはゼロだ。在庫コストもかからない。それが委託取引の最大のメリットであり、そのメリットをデパートはむさぼってきた。いわば、物を売るという物販業の原点とは遠いところで商売をしてきたのである。』

 

安田氏がいう通り、デパートは委託取引が前提となっています。リスクが少ない分、危機感も少なかったのではないでしょうか。そして危機感が薄いから、次なる一手を打つタイミングも競合企業と比較して遅くなったように思います。

 

 

※下記著書より一部抜粋

著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ


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