前回のブログでは苦戦しているデパートの状況について説明を行いました。実際にデパートはお客様が来てくれることを待っている、待ちの姿勢を保ち営業活動を続けてきました。かつてはデパートに誰もが憧れを持ち、デパートで商品を購入することがステータスだった時代もあります。しかしながら、時代は進行し様々なデパートに変わる業態が進出して来ました。それによって、待ちの姿勢を取っているデパートの売上はいつしか低下し、苦戦を強いられるようになりました。今回のブログでは前回に引き続き、デパートが取り続けて来た商法についてご紹介をしたいと思います。

 

『その人気の凋落ぶりは「構造不況業種」とまでいわれるほどで、事実、売上高は前年度割れの連続である。それでも96年度には、5年ぶりにようやくマイナスを脱出し、全国百貨店販売額が1.3%増になった。とはいえ、対前年度比の売上高伸び率は、伊勢丹の10.1%を除けば、三越の1.4%、西武のマイナス2.6%、阪急の0.2%など、ほんのわずかで、とても回復したといえる状況ではない(日経流通新聞)。』

 

5年ぶりにようやくマイナスを脱出するということですが、この5年間はデパートにとっては非常に厳しい時間だったのではないでしょうか。様々な試行錯誤をその際にしたのだと思います。それでも5年という歳月を費やし、やっとの思いでマイナスから抜け出すことができたのだと思います。

 

『たとえは悪いが、お客さまを魚とすれば、その魚を、どれだけ自分の網に囲い込めるかが商売である。この網にはいろいろあって、それが業態というものだが、都心の一等地に網を張り、魚がそこをめざしてくるのを待つデパートは、いわば定置網だといえるだろう。デパートがハレの場所だった時代には、消費者は郊外の家から電車に乗って、わざわざこの定置網まで出かけてきてくれた。魚から網に入ってくれたのだ。ところが、その人気に安心して居眠りをしている間に、デパートは周囲を底引き網に取り囲まれてしまった。』

 

ドン・キホーテの安田氏は自分の頭で考えて、何が一体お客さまにとって本当に良いサービスなのかを考え続けて来た経営者だと思います。そのような経営者が頭角を表す中で、以前と変わらないサービスを提供していたから取り残されてしまったのではないでしょうか。

 

 

※下記著書より一部抜粋

著書:流通革命への破天荒な挑戦!―ビジネスの原点は「常識」を疑うことだ


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