ドン・キホーテを創業した安田氏の動機については前回のブログで触れてきましたが、実際とても高い志を持って起業したというわけではありませんでした。他の人たちにどのようにしたら優位になることができるのか考えた末に、自分で起業をすることが、優位性を持てるという安易にも近い考えだったことは紹介した通りとなります。今回のブログでは前回に引き続き、安田氏が持っていた動機について再度記載をして説明したいと思います。

 

『もっとも、実際に創業するのはそれから10年も後の話で、そこに至るまでの私は経営者になるどころかまともな定職にもつかず、昼と夜が逆転したような勝手気ままで自堕落な生活を送り続けた。このときの体験が、後の深夜市場の開拓や、お客さまの心の襞に触れるドンキ流マーケティングの確立に役立つのだが、それはあくまで「結果として」である。』

 

あくまで結果として、と安田氏がいうのは、この点を狙っていたわけでないということだと思います。狙って自堕落な生活をし、ドン・キホーテのために時間を費やしたわけではなく、そのような生活をしたことが後々になって役に立つことがあったという程度にしか本人も認識していないのではないでしょうか。

 

『ともあれ、そんな私のフリーター時代の心情は「経営者になりたいけど、こんなんじゃ、なれるわけないよな」という、かなりふれくされて情けないもの(笑)。ただし、起業自体を諦めたわけではなく、これも後づけではあるが、鬱々としながらもその後爆発するマグマを、自分の中に溜め込んでいた時期と言えるかもしれない。』

 

実際に何かを実行したいけれど、やることがない。そのような欲望はかなり長い期間溜め込まれると、ドン・キホーテがいざ始まってみるとその鬱憤を晴らすかのように行動に移すことができるのではないでしょうか。また、この期間があったからこそ加速度的に行動を実行することができたのではないでしょうか。

 

『そして、ようやく目覚めた。ある日突然思い立ち、なけなしの金をはたいて、ドン・キホーテの前身となる「泥棒市場」という零細雑貨店を創業した。それが人生初めての実業体験で29歳のときだから、われながらスロースターターだ(笑)。』

 

※下記著書より一部抜粋

著書:情熱商人—ドン・キホーテ創業者の革命的小売経営論
 
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