原田ひ香さんの小説

「財布は踊る」を読みました。



専業主婦のみづほはコツコツ家計を

切り詰め、夫と念願のハワイ旅行に行く。

そして、そこで憧れだったヴィトンの

財布を買った。

しかし、ほどなくお金にだらしがない夫に

借金があることが発覚し、みづほは

返済に頭を抱えることに。

少しでも収入を得るため、せっかく手に

入れた財布を泣く泣くオークションに

出品するのだが…。



今回の原田ひ香さん、再び"お金"がテーマ。

でも「三千円の使いかた」とはまた一味違う。


みづほの手放したヴィトンの財布は、

お金に振り回される人々の手をすり抜け、

次々と持ち主を変えていく。


投資で収入を増やしてセミリタイア

狙ったり、

姑息な手段で人からお金を騙し取ったり、

儲け主義で仕事に打算的だったり、と

正直あまり寄り添えない人たちばかりが

出てくる。


ままならない現実を目の前に、

一発逆転を図る主人公たち。

借金地獄から解放されて自由になる者、

貧乏になったが生き甲斐を得た者、

富を得たものの、細やかな幸せを失った

者…etc.

悲喜こもごもだけど最後には皆、憑き物が

落ちたようになる。


今回の原田さん、何が言いたかったの?

と読後は少しモヤモヤしつつも…

結局人は皆、お金に振り回されて

生きているんだなぁ、という感じがしました。


ヴィトンの財布に憧れていた、専業主婦の

みづきが本当に欲しかったのは、旦那や

色々な事に振り回されない自立した強い自分、

なのかなぁ。

それだけは何となく共感でした(*´-`)