長崎に原爆が投下されて、9日で75年です。
平和祈念式典の規模が縮小されるなど、新型コロナウイルスが追悼行事にも影響を及ぼす中、被爆地・長崎は犠牲者への祈りをささげ「長崎を最後の被爆地に」という願いと決意を国内外に発信する一日となります。
75年の節目となる「長崎原爆の日」の9日、長崎市の平和公園で午前10時45分から平和祈念式典が行われ、被爆者や安倍総理大臣のほか、およそ70の国の代表らが参列します。
ことしは、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、一般の参列席は設けられず、参列者は例年の1割ほどの500人程度になる見通しです。
式典では、この1年に亡くなった被爆者など合わせて3406人の名前が書き加えられた18万5982人の原爆死没者名簿が納められます。
そして、原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうをささげます。
世界の核軍縮をめぐっては3年前、被爆者の長年の悲願だった核兵器禁止条約が国連で採択されました。
今月6日、広島原爆の日に新たに3か国が批准し、条約発効に必要な50か国まであと7か国となりましたが、核保有国が核兵器の近代化を進め、非核保有国との対立が深まるなど、核廃絶への道筋は不透明なままです。
長崎市の田上市長は、ことしの平和宣言で、新型コロナウイルスの脅威に立ち向かうように、核兵器の脅威も共通の課題として世界の人々が当事者となって問題解決に取り組むべきだと呼びかけることにしています。
そのうえで日本政府に対して、速やかな核兵器禁止条約の署名・批准を求めます。被爆地・長崎は犠牲者を追悼するとともに、「長崎を最後の被爆地に」という願いと決意を国内外に発信する一日となります。