真面目に聴いてんか!
少し離れてベッドに腰を下ろすと、ボゥンと弾みをつけて抱きついてきた!
ちょっと日向の匂いのする、弾力のある身体に押し倒されて、目の前にシッドの顔が。
左腕がシッドの体の下敷きになって、おまけに手の平が物凄く困った場所に位置してしまって居るので、動くに動けません。
ベッドが揺れるから、トコトン鋭敏になっている手に・・・。
頭がワックン、ワク、ワクして、喉に何かが詰まってるみたい。
もぉ限界、ウワァ、これはイカン、ヒューズが飛びそう!
「降参!?(Say uncle!?)」
「止めて!負けた!(Stop!Wait!Cid,wait!You win!)」
ケラケラ笑ってやっと離してくれました。
「乱暴はやめようよ(Please, don't be rough on me.)」
これって、男が言うセリフではありませんよ。
たんにジャレてるだけなんでしょうかね?
それとも、ひょっとして????
まさか、それは無いでしょう・・、やっぱり考え過ぎかなぁ?
けど、年齢を別にすれば、充分グラマーな娘が抱きつくんですよ。
少しは、いや相当、妙な気分になるのは自然だと思うけどなぁ・・。
「身体はデカクても子供だ」といくら頭で理解していても、組討に持ち込まれたら、そんな物は跡形も無く、スッ飛んでしまいますよ。
スッ飛ばしてはいけないんでしょうけど、飛んでしまいそうになるから困るんです。
私の英語の能力では、9才の子供相手に「正しい大人の男への接し方」なんか、とても説明出来ません。
これ以上シッドにジャレ付かれると、ホントに気が狂う、すでにかなり狂いかけてます。
そろそろお暇しないと!
「ご馳走様でした、楽しかったです」とお母さんに挨拶して、
「By!Cid!」といったら、まともに抱きついて、頬っぺたにキッスされた。
母親がすぐ横でニコニコしているから、これで良いのかな。
けど、お返しのキッスはとても出来ませんでした。
「また来てやってね!」って言われても、この調子では私のブレーキが何時まで持つか心配。
今日で相当傷んでしまってます。
これは、コラリアに正しい対処方法を、早急に教えて貰わないといけません。
こんな異国で強制猥褻の疑いを掛けられでもしたら一大事。
いくら「下に組み伏せられているのが私で」と、事情を説明しても判ってもらえるかどうか?
刑務所で脚に鉄の玉を付けられて、でかい岩を引っ叩かされるのは厭です。
強制送還で勘弁してくれたとしても、どの面下げて日本に帰れましょうか。
家に帰ってコラリアに、 「ねぇ、シッドって普通の子?」
こういう時に normal なんか使っていいのかな?
「何?どういう意味?」
「いや、すぐに抱きついて来るから・・」
と話すと、ゲタゲタ笑って、取り合ってくれません。
ひとしきり笑ってから言った言葉が「Chicken!」
これはどう考えても誉めているのでは無さそう。
「Chicken what!」どうも、臆病とか、ビビリとか、しょうも無い、という感じらしい。
ちょっとムカッとしているのに、コラリアまでが抱きついて頬っぺたにわざとらしくチュッとして、又もや
「You kicked, whoo Chicken!」
こうなると疑いなく、人を馬鹿にしています。
馬鹿にされるのはいいとしても、相手は18才、刺激の強さと迫力はシッドどころではありません。
しかしさすがに大学生、すぐに抱きつくのを止めてしまったのは、ホットしたような、残念なような。
「いいじゃない、シッドは貴方が気に入ってるのよ」
これは曖昧な事を言っていたんでは、話が堂々巡りになりそう。
日本語だと、恥かしくて口ごもるようなことでも、片言の英語だと意外に平気で話せます。
現実感が無くなるんでしょうね。
「シッドは良くても、私は sexually excite してしまうから困る」
「ヘ~ッ、シドみたいな子供が相手でも、貴方そうなの? sensitive で tough なんだ!」
そんなに明るく驚かれると、何だか、ますます自分が異常に思えてきますね。
「あんな子供相手に興奮するって、異常かなぁ?」
「あなたがシッドを追い駆けまわしてるのならね。そうよねぇ、そう言えば、シッドって年齢と身体がマッチしてないのかもね。
でも9才だから興奮するんじゃなくて、発育の良い身体に興奮するのなら、大丈夫!健康な証拠よ。」
何だか判ったような判らないお話ですが、アッケラカンとそう言って貰うと、少し救われたような気分になりますね。
「あの年頃ってそうなのよ、もう2、3年もすれば、大人しくなるわよ。あの位の body の子って、そんなに珍しくはないわよ」
珍しいかどうかは知りませんが、確かに、9才であの身体は無茶ですよ。
それに私、2、3年も居ないんです。
まずは、基本的な常識からお勉強。
13才からは女性として尊重しなければいけない、それまでは子供扱い。
「だから私を尊重するのよ!」
「ヘイヘイ!」
「”13”て何か意味があるの?」「そうティーンネェジャア」
Teenager って10代全部と思ったら、違うんですね。
「ten、eleven、twelve は teen がついてないでしょ」
Girl friend とか Boy friend というのは、相当 steady(親密)な関係の友達だそうです。
そういう付き合いを認められるのは Teenager になってから。
へ~、そうか、エッ?13才位からそんな付き合いをするんですか?
「じゃぁ、ごく普通の女友達は何ていうの?」
「ただの Friend よ」
「エフィは確か『ガールフレンドができてよかったね』って言いましたよ?」
「だから、貴方を冷やかしたのよ!」「子供を女性として sex の対象に扱ってはいけない」
そりゃそうでしょうね、何処の国でもそうですよ。
「逆に女性を子供みたいに扱うと、凄く失礼」
これは解かり難いぞ、具体的にはどうすればいいのかなぁ?
「女の子が部屋に居る時はドァを閉めてはいけない」
閉めるどころか、開けっ放しで襲い掛かられたんですよ。
「嫌がることを無理にしてはいけない」
あのぉ、だから、私の方がしたんじゃなくて・・・。
仮に女の子が自分でドァを閉めたら、それは特別な関係になっても良いという重大な事だそうです。
そんな場面になる心配は、まず、いや絶対に無いでしょうね。
ところで、そのマナーは女の子の方も同じなんでしょうね?
「男性は女性を守るのがつとめよ」
ドッチかというと、私が守って欲しいんですよ、今回の件の回答にはならないと思うんですが?
「抱きついたり、触ったりするのは好意の表現で、何でも SEX と結びつけるのは変よ!」
変なのは承知しているんです。
けど、正直に言うと、意思と関係なく、勝手に結びついてしまうんです。
「そもそも、触ったり、抱きついたりし過ぎですよ」
「じゃぁ、好意とか親密感とか信頼をどうして現わすのよ?」
「う~、あ~、言葉で・・・」
「言葉だけじゃ表現し切れない時は?」
「普通の友達や、知り合いなら言葉で充分だと思うけど」
「日本ではそうかも知れないけど、ここじゃぁ、それでは相手に判ってもらえないわよ」
そうか・・、そんな物なのかなぁ。
「シッドもきっと物足りないのよ、今度会った時、あなたの方からギュ~って抱き締めてあげたら、どうかしら?」
なんと言う恐ろしい事を平然と言うんでしょうね。
そんな事が平気で出来るぐらいなら、最初から困りませんよ。
「意外に貴方って novice なのね」って、18の小娘に言われてりゃ世話はないなぁ。
そう言えば、高校生の頃、フォークダンスで指の先っちょ摘んだだけでもドキドキしてたもんなぁ。
この連中のダンスは指の先どころか、体をガッチリ抱くんですよね。
そんな位で、一々興奮してたら、身体がもちませんね。
けど、私なら、絶対に興奮してしまうなぁ・・・。
確かに、こういう事には抵抗力が弱いみたいですね。
船員やってる時は、もっと凄い場面に遭遇しても、そうでもなかったのは何故でしょうね?
アッサリとした、いやらしくない抱きつき方?
なるほど・・・。
しかし興奮するのは天然自然、本能です。
これは難しいぞ、練習するわけにもいきません。
けど、これってコラリアの個人的な意見なのか、一般的にそうなのか、その辺が釈然としません。
なんだか、家庭の環境、人種とか宗教で色々な考え方が有りそう。
それはそうと、シッドはともかく、コラリアまでが平気で胡座(アグラ)をかくのは、どういう神経なんでしょうね?
ショートパンツ姿で、目の前で豪快に胡座をかかれると、目のやり場に困るんですけど。
困りながらも、つい見てしまうから、余計困るんです、少し嬉しい気持も有りますけどね。
恥かしい事、恥かしく無い事、しても良い事、悪い事の感覚が、少し、いやかなり違うのかなぁ?
触らぬ神に祟りなし、と言うものの、神様の方から攻め込んで来るからなぁ・・。
2003/04/25:初出
2022/04/:再録


