文化の違いか?
草笛みたいなものでも、知らない人や子供と仲良くなるきっかけになるんですね。
それならばと近所の子供相手に綾取りを試してみました。
なんと、二人綾取りはほとんど一緒。
ただ、Cat's Cradle (ネコの揺り籠?)と言うから、そういうとり方があるのかと思ったら、どうやら「綾取り」の事を「cat's cradle」というらしい 。
Cradle(揺り籠)、Soldier's Bed(兵隊のベッド)、Candles(ローソク)、Manger(かいば桶?)と進むらしいんです。
Candles(ローソク)は「川=river」だと言ったら、寄ってたかって「これの何処が川に見える?」と却下されました。
「立てればなるほどロウソクでも水平にすれば川だ」と主張したんですがねぇ。
何よりも、Manger(かいば桶)にはまいりました!そんな単語初めて聞いた。
「メェインジャー」と言われても、この綴りにはたどりつきませんよ。
何回訊いてもピンと来ないので、綴りを書いて貰おうとすると、子供たちも綴りがアヤフヤ。
「そうじゃない!」「これでいいのよ!」と騒がしい事。
何に使う物かたずねても、どうにも判りません。
家から辞書を持ってきて、書いてくれた綴りに近いのを捜すと、疥癬?それは無いやろう!
次が「かいば桶」、かいば桶?子供の頃よく見た材木市場の馬は、バケツみたいな木の桶でかいばを食べてました。
これはどう見てもバケツとは似ても似つかない形です。
お向かいの奥さんがやって来て、Manger(かいば桶)に間違い無いと太鼓判を押してくれました。
一体これの何処が「かいば桶」なんでしょうか?
遠慮がちに訊いたら「形よ!だって他に何があるの?」
う~ん、かいば桶ねぇ・・・。
この単語は絶対に習っていませんね。
このモヤモヤは後日牧場でのアルバイトで Manger の実物をみて納得しました。
あれは箱ですよ。
えさ箱ならば、少し不満は残るけど、なるほどと判らない事もない。
bucket とか pail とか tub てのが桶だと思うんですがね。
日系人が多い土地柄だから、日本の綾取りが伝わって、カリフォルニア風になったのかなぁ。
それとも西洋にも元々有ったのが日本に伝わったんでしょうかねぇ?
偶然に両方で発生したとすれば、あまりにも似すぎている気がします。
さすがに「さかずき」や「富士山」なんかは知りませんね。
その代わり lumberjack (樵=キコリ)等と言う簡単なのに動きがある面白いのが有ります。
きこりが木を登って行くんです。
アラスカンの兄弟は ice house(igloo=イグルー)を教えてくれました。
これにはお話しが付いていて、春になって氷のお家が溶けて、子供が出てくるんですね。
このお話しを理解するのには大変な苦労が・・・。
メキシカンの娘さんは凄い複雑なことをして、見事な花を作ってくれたけれど、何回習っても最期にパッと花が開かずに、指が縛れてしまうんですよ。
手先が器用なのは決して日本人だけでは無いんですね、世界は広い、上には上が居ますね。
今まで居た子が居なくなったと思ったら、家に帰ってお母さんに教えてもらって来るんです。
皆のところでやって見せようとしたら、途中で忘れてしまって、又家に吹っ飛んで帰るんですね。
それはそれで、笑いの種になって、綾取りが大流行。
「”The Smile”を知ってる?」
知らない、と答えると別の子が「”The Cheshire Cat”よ!」
「チェシャー猫?って『不思議の国のアリス』に出てくる猫?」
「そうよ、あの猫の形。知らないの?」と皆で大笑い。
どうやら皆知ってるようですねぇ。
「じゃあ教えてあげる!」と見せてくれたのが、これ。
「いちばん簡単なのを知らないんだ!」と腕を掴んで振り回されたり、背中をドンドン叩かれたり。
ほとんどの子供はこの間のハイキングで顔見知り。
あのねぇ・・・。
こういうのは日本ではしませんね。
こうして芝生に座って綾取りをしているとのどかですね。
そのうちに男の子が折り紙飛行機を飛ばし出しました。
女の子たちも紙飛行機を製作。
アメリカの新聞は折込広告が無くて、新聞と同じ体裁の広告が、山程一緒に配られるんです。
特に週末は持ち重りがするぐらいドカンと来ます。
新聞紙が違うのか、インクが違うのか、洋書の匂いがするんです。
男の子は大概ポケットナイフを持ってるんです。
私などは「肥後の守」が宝物でしたが、ここの子供は中々上等そうなのを持ってます。
材料は無尽蔵にあるから、総体に紙飛行機がデカイ。
似たような折り方のも有りますが、見たことが無いのもありますね。
日本でも作る細い三角形のが主流です。
これはただ放物線を描いて飛ぶだけで面白くも何ともない。
紙飛行機なんかは、デカけりゃ良いものではないし、材料が新聞紙ですからあまり大きいとヘニャッとなって、飛ぶどころではありません。
総体に男の子たちは折り方が雑。
飛行性能は女の子たちの作った物の方が優秀。
10才くらいまでは体格も含めて女の子の方が全てに勝ってるみたいですね。
何のアメリカに負けてなる物か、見よ日本の技術力。
腕に覚えの三角飛行機。
手ごろな大きさのを、丁寧に作って、先っちょを折り返して重心位置の調整をして飛ばすと、さすがに綺麗に飛びます。
アメリカ式紙飛行機は呆気なく見捨てられてしまいました。
日本式紙飛行機の製作方法を学ぼうと、子供達が煩い事。
「先ずこのぐらいの長方形に紙を切っておいで」というと瞬く間に切って回りに集まりました。
これから先は、言葉不要。
順番に折って夫々試験飛行。
紙を切るのにキッチリ長方形に切れていないから、飛行性能は今一。
「どうして?」と訊くから「先ず紙の切り方が大事」と言うと「切ってちょ~だい」。
紙切りの下請け仕事で大忙しです。
ジャックが出てきて奇妙な物を飛ばしました。
エ~ッ?何でこんな変な格好のが飛ぶの?
日本式紙飛行機はメキシコU.F.O.に完璧に敗退。
アメリカ式紙飛行機と同じくゴミ箱行き。
ところがこれは投げ方が難しい、というかちょっとコツが要るんですね。
端っこの三角の所を指で挟んで、スナップを効かせてオーバースローで投げると、綺麗にす~っと飛ぶんですよ。
しかし、簡単に折れるのに、良く飛ぶなぁ!⇒作り方
子供は遊びに夢中になると、変な気を使わないで、相手が日本人であろうが、自分のペースで喋るから、こちらは受け答えに大変。
これは会話の凄く良い練習になったと思います。
擬音とそうでないのが判り難いのと、綴りを書いてもらって確かめるのが、簡単に出来ないのには苦労しました。
活字体を丸っこくしたみたいな字は、アメリカに来て初めて見ました。
女の子はまだ良いのですが、悪ガキどものは読みにくいし、結構綴りがいいかげん。
心配なのは、大人の言葉と子供言葉の見分けがつかない事
最初はチョット物怖じしていた子もだんだん慣れてきて、道で出会うと「Hi!何処行くの?」とか「一緒に来て遊ばない?」、と友達扱いしてくれるようになりました。
「プールに泳ぎに行こう!」と誘ってくれた事も有ります。
そうや、プールの話もあるんや!
しかし、莫大な旅費を使って、遥々太平洋を渡って来て、こんな事していて良いんでしょうかねぇ?
この子達、将来、親日家になってくれるかなぁ?
2003/04/15:初出
2022/04/30:再録