18-市長(?)の自宅-U.S.A.1964-No.18-再録 | maidoの”やたけた”(ブログ版)

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庶民的というか...。

この市長(?)さん、学者みたいな風貌にかかわらず、かなりのイラチ。
早口で何やらかんやら話し掛けて下さる、返事をしないと、顔を横に向けてゆっくり話してくれるのはいいけれど、出来たら前をみて運転して欲しい。
ほとんど車は走っていないけど、丘の上の新興住宅で道がクネクネしてるんです。
喋りながら、パイプを取り出してタバコを詰め始めた。
パイプなんてのは、書斎かなにかで、ゆったりとした態度でくゆらすのが似合うと思うんですがねぇ。
ワッ!ハンドルをちゃんと持ってくれ!「ハンドル、ハンドル、デンジャー、デンジャー」「Yah、Yah、心配ないよ!(Don't worry about!)」
心配と違います、恐ろしいねんけど、どう言えばいいのか...。
横に乗っている身は恐ろしくて、気が散って、余計に話が聞き取れません。

「さぁ着いた!(Here we are!)」ほ~!市長(?)さんの自宅というからお屋敷かと思ったら、ロジャーさんちとソックリのこじんまりしたお宅です。
中に入ると間取りもそっくり。
市長(?)夫人と令嬢はショートパンツ...。
私、ダークスーツで物凄く変。
ワッセワッセと買い物を台所に運び込んだら、残りの皆は市長(?)さんに台所から追い出された。
入ったところのリビングで奥さん、娘さんとコーヒーをいただきながら、お話し。
この二人は、相当言葉を選んで話してくれているみたいで、ほとんど理解できる。
といっても、難しい内容では無いんですけどね。
台所からは、時々ドンガラガッチャンと派手な音が聞こえます。
家族二人は肩をすくめて「あなた、何を料理するか聞いた?」
「いいえ」
「あの音だときっとハンバーガーよ、ごめんね。だってホットドッグだとあんな音はしないもの」
ハンバーガー?そう言えば丸っこいパンをスーパーで山程買いこんでたなぁ...。
ひょっとして市長(?)さんの料理のレパートリィーは2種類だけ?
ところで、何故「ごめんね」なんでしょうねぇ。

奥さんが覗きに行って「やっぱりそうよ!裏庭の用意をしてくれって」
一緒に裏庭に行って、ガレージから折りたたみの椅子、テーブルを出していると、市長(?)が四角な鉄板で出来た火床に脚のついたのを持ち出してきました。
紙袋からバラバラっと豆炭みたいなのをブチ撒けて、何やら液体をかけたかと思うと、奥さんと娘さんはサッとそばから離れました。
突然目の前にメラメラっと火柱が!
ギャっと思わず飛びのきました。
危うく、ハンバーガーの前にコチラが焼きブタにされそう。
市長(?)は私の焦ったのを見て大笑い。
笑ってる場合ではないと思いますけどね。
とんでもない奴ですねぇ、豊中の市長(?)は知ってるのかしら?

あたふたと台所に取って返すと、ハンバーグ風のが出てきました。
金網に並べて焼いて、その周りでパンを温めるんですね。
少し辛抱すればよいのに触りまくるから、肉も焦げる暇がありません。
ハイハイ、ホイホイと渡されて、生の玉葱、緑の葉っぱ、ケチャップ、マスタードをこれでもかとかけて、さぁ食べよう。
それは良いけれど、ここまで野放図に具を挟まれては、何処から攻めれば良いのか。
ワイシャツは2枚しか持ってないし、ネクタイはこれ1本だけ。
ケチャップでも付けたら大変です。
奥さんがナプキンをヨダレ掛けみたいに首に掛けてくれました。
さすがは市長(?)夫人、行き届いたお心遣いです。
「Thank you!」
「You're wellcome!」
ありゃ?間には挟んだハンバーグが根性有りますね、肉だけをまとめて焼いたみたい。
日本のは玉葱とかつなぎが入っててもっと柔らかいけど、ここのは噛み応えがあるなぁ!
市長(?)は椅子にも座らず、焼きながら食べています。
半分くらい食べたら、もう次のが来てるんです。
やっと片手が空いたと思ったら、即3つ目を渡された。
こうなると食べるのに必死、瞬く間に3つ頂いてしまいました。
4つ目を渡されたところで、やっと「Oh that's enough, No more please!」と言う事が出来ました。
さすがに、奥さんと娘さんはご主人のペースにはまる事無く、マイペース。
奥さんが笑って言うのには「主人、あなたとは気が合いそうだって!」
気が合うも何も、私は必死で付いて行ってるんですよ!
メシの早食いに自信は有ったけれど、これには参りました。

さすがに、市長(?)さんも食後は少し落着いた。
裏庭を眺めると、お隣との境に大きな木が茂っています。
近くによって見ると、樫のようですが木肌が違うような? 「It's cork!」ん?コーク?コカコーラがどうしたん?
娘さんがハンバーグを焼くのに使っていた、大きなフォークみたいなのでベリッと木の皮を取ってくれました。
内側を見ると、コルク!
へ~、コルクってこんな木なんや。

いやに落着いていると思ったら、コンロが冷えるまで手が付けられないんですね。
何処に泊まっているのか?と聞かれたので、サウス・サンフランシスコと答えると、 「機会があれば是非サン・マテオにも滞在しなさい。いつでも訪ねて来なさい、歓迎するよ」
それはありがたいお言葉、けどここのお宅に居候すると疲れるでしょうね。

ところで夏なのに蚊が居ないんですね、一体何故なんでしょう。
こんな風に思いっきり短いショートパンツからにゅ~と脚を出してたら、日本ではボコボコに蚊に喰われます。
「蚊が居ませんね?」
「いや、居るよ」
「日本では夏は物凄く沢山居ますよ」ん?この場合は many か lots of か?
「Uh~!terrible!」
いや、そんなに酷くはないんですけどね。

やっと火が下火になって、市長(?)がガレージの方へ行ったと思ったら、そそくさと奥さんと娘さんが家の中へ入りました。
これは何か有るぞと、今度は私も、一緒に家の中に。
ブシュ~、ジュワ~という音が聞こえたのは、水をぶっ掛けたんでしょうね。
程なく、灰まみれの市長(?)が居間に登場して、奥さんに追い出されました。
う~ん、この市長(?)さんとなら言葉がもう少し通じれば、ホントに気が合いそう。

表でクラクションが鳴ったので出て行くと、アンダーソンさんが迎えに来てくれました。
帰りの車の中で「ハンバーガー?」「Yah!」「よかったな、気に食わない奴とはレストランに行くんだよ」
う~、この辺の感覚がどうもよく解からんなぁ・・・。
免許証の話をして、見てもらうと、本当に運転してもいいらしい。
サン・マテオ・カウンティーでは小型、大型の区別が無いそうです。
自動車学校も無いんですて!トレーナーに同乗してもらって、最初から公道で練習するそうです。
市長(?)さんはやっぱり大学の先生(多分)市長や市会議員は給料といえるほどのものは無いんだそうです。
職員も半分ぐらいの人数は奉仕で手伝っている人だそうです。
清掃は民間、消防はさすがに本雇い、警察がややこしい、連邦、州、市と有ってこれは本職、シェリフは選挙で選ばれるそうですが、これも給料というほども報酬は無いそうです。
警察とどう違うんでしょうね。、
今ひとつ、システムが飲み込めませんが、実はこれ以外にも理解できて無い事がいっぱい有るから情けないねぇ。

しかし、目まぐるしい半日でした。

 

☆どうも現職の市長では無く”元”か”前”であったようです。

2003/04/01:初出
2022/04/26:再録

U.S.A.64-19
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