地図
今でこそ西貢(サイクン)は有名になって、観光バスに乗った団体さんも行くようになりましたが、それまでは全くの漁村でした。
観光バスで行った事がある人に聞くと、駐車場から魚屋の前を通って料理屋に直行。
生簀は通りすがりに見物しただけで、魚を選ぶなんてな事はさせてもらえず、海鮮料理と称するお仕着せ物を食べさされたそうです。
それやからパック旅行は嫌い・・。
その代わりトンでもない目に遭う危険は少ないから、一概にパック旅行がイカンとは言えませんがね。
西貢へは地下鉄(MTR)の「彩虹(チョイフン)」からと、九広鉄路(KCR)の沙田から路線バスが有ります。
路線バスは危な気が無いんですが、それではドキドキ感が少ないので、往路は敢えてミニバス、帰路を路線バスで鞍安山をまわって九広鉄路(KCR)で帰って来る大回りコースにしました。
ミニバスは乗り場が駅のまん前というのは滅多に無くて、大抵駅前から少し離れた幹線道路の1本裏とかいうのが多いんです。
彩虹駅で通りかかったお姉さんにミニバスの乗り場を教えて貰うと、此処は駅前のようです。
言われた場所に行くと、居たのが緑のミニバス。
緑のは赤のミニバスと違って発着地点が決まってるんです。
路線バスとの違いは何処でも乗り降りできるのと、料金が安いくらいですね。
赤のやたけたなミニバスより面白さは無いんですが、まぁエエか。
彩虹からは清水灣道を彩雲邨、順利邨等の大団地の傍らを通って飛鵝山の南側を東に向かいます。
順利邨の辺りから飛鵝山に向かって北に1kmちょっと入ったところに孫文のお母さんのお墓が有りますが、今回はパス。
孫文は中国語圏では孫中山と字(アザナ)の中山で呼ばれる事が多いみたいですねぇ。
生地の広東省香山県石岐鎮も中山市に改称していますし、中山路というのはそこいら中に有りますなぁ!
周恩来が字(あざな)の少山で呼ばれているのは見たことが無いんですが、「中山に対して少山ではなぁ」と皆んなが気を使ってるんやろか?
孫文、リー・クワン・ユー、李登輝その他沢山の歴史を動かした人物を輩出する客家(ハッカ)というのは興味をそそられますねぇ。
団地を過ぎると両側は緑の木々に覆われた山、監獄という物騒な地名の所を過ぎるて鷓鴣山の北側をくるっと廻れば香港科技大学の向うに牛尾海(ガウメイホイ)が拡がります。
ここから南に下る清水灣道から分かれて、北へ登る西貢公路へ入ります。
白沙灣沿いに少し行くと、関西ペイントの工場が有ります。
エライ所に工場を立てたもんですなぁ。
「狐狸頭(ウォレイタォ)」などという道標がありましたが、どんな所でしょうねぇ。
まさか「嘘つき村」では無いでしょうが、行ってみたい気がしますなぁ!
海岸沿いの道路が白沙灣を囲む半島の付け根に入って、今度見えた海は西貢海。
西貢公路から福民路へ折れて海岸に出たところが路線バスのターミナルで、ミニバスの終点もここです。
西貢海は外海から相当奥まっていて浪も穏やか。
小さな島が点在しているので、昔は密航者を運ぶ大目鶏と呼ばれるジャンクで大陸からやって来て、夜の間に島に上陸、隙を見て泳いで密入国する者には人気の有った場所やった、というのも成る程と思いますねぇ。
西貢に上陸した元密航者の不動産屋のオヤジが以前TVに出ていて「Many shark in the sea. Many friend died.」と言ってたのを思い出しますなぁ。
海岸沿いの西貢海傍街を少し行くと魚屋が並ぶ市場街で、周辺に料理店が何軒か有ります。
ここのスタイルは魚屋の生簀で魚を買って、料理屋に持ち込んで料理して貰うんです。
魚屋は後でゆっくり見物する事にして、先ずは町を探検しに海岸から西貢大街に入って西貢公路の方へ歩いて行くことにしました。
西貢大街から左に折れると小さな魚市場みたいな所に出たけれど、セリが終ったのか人気(ヒトケ)が無くガラーンとしてます。
海岸沿いは埋立をしたんでしょうね、車が通れる幅の道なんですが、少し入ると人がすれ違うのもやっとの細い路地が入り組んでいます。
道を歩いている人が少ないねぇ・・。
いかにも旧墟(ガウホイ)と言う感じの路地を拾いながら適当に歩いて行くと、正面に家が在って、道の両側には野菜が植えてある袋小路に入り込んで、行止まりになってしまった。
デカイ黒犬がオン、オン!と吼えてくれてますねぇ、喜んでるのか、怒ってるのか?
ニワトリがウロウロしてるけど全くの放し飼いかいな?
傍の建物からお婆さんが出て来て、何か言うてるんですが、どうにも聞き取れませんねん。
そこへ何処からか若い女の人もやって来て、この人は意識してゆっくりハッキリ話してくれるんですが、如何せん廣東語やからねぇ。
紙とボールペンを出すと、書いてくれたのは「何の用事ですか?」。
ん?どういうこっちゃ?
やっと判ったのは、ここは道ではなくお婆さんの家の中庭?
ウッヘェ~、そら犬が吼える筈や!
しかし門らしいものも何にも無いし、石畳の感じも路地と全く一緒やったなぁ。
「御免!別に用事は無いんです。町を散歩してて間違ってお宅に入ってしまいました。すみません。」これをお婆さんに伝えて貰うのにどれだけ苦労したか。
怪訝そうな顔やったお婆さんがチョット笑顔になって、家の中に入ったと思ったら、お茶を持って来てくれた。
「まぁ座ってお茶でも飲め」という素振りなので、丁度カバンに入っていた「優の良品」ブランドのお菓子を土産代わりに、何物か不明の若い女の人と4人でお茶になってしまいました。
「優の良品」というのは大抵のコンビニやスーパーで売っている香港ブランドで、袋に「優の良品」と日本語が印刷してあるんです。
若い女の人は近所の奥さんで、犬がエライ鳴くから何かいな?と見に来たんやて。
すんませんねぇ、お騒がせして。
「ご馳走さんでした」とお婆さんとお別れしてしばらく行ってから振り返ると、なるほど明らかに路地とはちがうねぇ。
ロの字の形の建物の口から中庭に入り込んでしもてたんですなぁ。
お婆さん、突然へんな二人連れがやって来たんで、何事かいな?と思ったでしょうねぇ。
離れてみると味のある立派な建物ですなぁ、路地からでは写しようが無いので、横手の道路工事中のところから写真を取らせてもらいました。
ここから見れば、屋根に何やら大きな飾りが乗ってて、こっちが正面なんや!
すると右手横の通路というか、勝手口みたいな所から入ってしもたんですねぇ。
今となっては何で判らんかったのかが不思議ですけど、すんなり中庭に入ってしもたんです。
「今日は変な日本人が家に来てなぁ・・」と家族に話したら、お婆ちゃん信用してもらえるやろか?
2004/03/16