「言ってみれば『どんがら』なわけですよ」、小池百合子都知事は築地市場の豊洲移転問題に関し、11月7日に予定されている移転日程を延期する可能性をあらためて示唆しました。これから改善すべきところなどをチェックしていきたい、と日程第一ではなく“納得”や“安心”を優先させたいとの意向も明らかにされました。

開場予定の豊洲新市場、ここは東京ガスの製造工場跡地だったことから、発がん性物質のベンゼンやシアンなどによる土壌や地下水の汚染が表面化しています。土壌汚染対策法によれば、地下水モニタリングを2年間行って、汚染が除去されたことを確認できなければ、土対法上の「汚染区域」の指定が解除されません。

そして今、法律で義務付けられた2年間のモニタリング(観測や測定)期間中で終了するのは11月18日です。なにせ「市場」が移転するのです、土壌汚染は「食の安全」から大きな懸案事項であることは誰にでもわかること、「モニタリングが終わる前に開場する理由を確認する」と知事も言っていましたが当然ですね、なんでこんな奇妙な日程が組まれているのでしょうか。

これにはまずは東京オリンピックに間に合わせるための「環状2号線工事」が優先されたことがあげられています、この期を逃すと間に合わないのだとか、しかし11月といえば市場にとっては年末にかけての繁盛期です、「11月移転は商人としてあるまじき」と半数以上319社の仲卸業者が延期を求める請願に署名をしたそうです。

『間口が狭い、マグロの解体ができない、トラックの出入り、ターレがヘアピンカーブを曲がれるのかなど、いろんな課題がある。これだけお金をかけていて、まだやらなければいけないことがあるというのは、途中でもっとヒアリングすべきだったということだと思う。これから改善すべきところなどをチェックしていきたい』

知事もインタビューでこう答えておりましたが、ここにきて膨れあがった予算の問題や設計の不備も指摘される始末です。不透明な意思決定、都の隠してきたツケがまさに噴き出したとの声も聞かれます。IR総合リゾートなど築地跡地の利権争いも熾烈なものになるとなりそうです。知事は最終的にどう判断されるのかわかりませんが、どちらの結論でも今後も混乱は続きそうですね。