こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

今日は、7月16日。
私の伯父さんの命日です。

平成3年の今日、北海道で鍼灸師として
活躍していた伯父さんは、
若くして肺ガンでこの世を去りました。

 



伯父さんの最後の言葉は、
「まだ死ねない、
やり残したことが沢山ある・・・」
だったそうです。

その頃、東京の大学に通っていた私は、
試験の真っ最中。

やむなく、試験終了後に北海道に行き、
伯父さんの位牌と遺骨に手を合わせました。

「試験をキチンと終わらせてから来い!」

伯父さんは、きっとそんな風に言うだろう、
というのが、私たち家族全員の
一致した見解でした。


◆伯父さんを偲ぶ

子供がいなかった伯父さん夫婦は、
私たちを本当に可愛がってくれました。

その伯父さんと同じ鍼灸師になったことは、
たぶん偶然ではない、
何か深い縁があるのでしょう。

私は、たまに伯父さんのことを思い出して、
「今、伯父さんが生きていたら、
同じ鍼灸師としてどんな話ができるかな」
と思うことがあります。

 そして、伯父さんがやり残したことは
何なのだろう、と…。

やはり、命があるということは、
とても貴重なことだと改めて思います。

素晴らしい師匠との出会いや、
患者さんとの交流を通して受ける感動、
鍼灸の奥深さに心が震えるような体験などは、
生きていてこそ与えられるものですよね。

伯父さんが亡くなってから20年後、
私は鍼灸師の資格を取りました。

そして、その年に北海道に行き、
伯父さんの書斎を改めて見せていただいた時、
「やっぱり伯父さんは、本物だったんだな」と
思いました。

東洋医学の専門書がズラリと並んだ書斎。

しかし、決してそれだけに偏らず、
西洋医学の知識も大切にしていたようでした。

 

本をめくると、

至るところに赤鉛筆で線が引かれ、

メモ書きがたくさんしてありました。

伯父さんは、しっかりと「医学」として鍼灸を
捉えていたことが伝わってきたのです。

 

 

◆伯父さんがやり残したもの

「伯父さんがやり残したことは、
鍼灸医学の追究だったのかな」

そんな風にも思いますが、
でも、もっと大きなことを
考えていたかもしれません。

 

そんな方でしたから。

そして、伯父さんはお灸の効果についても
注目していたと、伯母から聞いたことがあります。

 



私は、東京で鍼灸師になったため、

北海道よりも機会に恵まれており、
最高のお灸の師匠にも巡り会うことができました。

そして、質の高い灸施術を患者さんに
提供できるようになっています。

伯父さんが、師匠に巡り会わせて
くれたのかもしれないと思うことがあります。

それくらい、私が出会いを得た
「鍼の師匠」「灸の師匠」は超一流なのです。

少なくとも、今の私が歩んでいる
この道を全うすることが、
伯父さんの遺志を継ぐことになるのだろう。

そんなふうに思います。

やはり、私に大切なのは今を生きること。

「人並みに生きようとするなよ。
人並みに生きようとすると、

人並み以下になるぞ。」

生前、こんな言葉を
かけてくれたこともあった伯父さん。

同じ鍼灸師として、
恥ずかしくない生き方をしていきたいと、
伯父さんの命日に改めて思いました。

そして、80歳を超えても
なお元気でいてくれる伯母さんを
大切にしたいと思います。

今年は、北海道に会いに行けるでしょうか…。

 

誠真堂鍼灸院 東洋史

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