こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

漢字って本当に深い意味があるなあと
思うことがあります。

例えば、
身に美しいと書いて「躾(しつけ)」
心を亡くすと書いて「忙しい」
耳に「直」と「心」を合わせて「聴く」

また、正しいという漢字は、
数字の「一」に「止まる」と書きます。

一度止まって自分の行いを省みることが
正しいということなのだそうです。

先人たちは、どんな思いで
私たちに漢字という素晴らしい文化を
残したのでしょうか。

そして、今日のテーマの一つである
「恥」という漢字。

耳に心と書きます。

この漢字の構成に関しては、
様々な解釈があるようです。

・恥ずかしさを感じると、耳が赤くなるから
・恥ずかしくなると、
 心が耳のように柔らかくやわらぎ、いじけてしまう

 



なんとなく分かりますが、
もう少し深い意味があっても
良いような気もします。


◆「恥」と「聡」

「恥」に似た漢字で「聡」という字があります。

これは、心の上に「公(おおやけ)」という
字が乗っかっています。

耳に公に心と書いて聡明の「聡」。

「恥」と「聡」という漢字は、
ただ「公」という字が
あるかないかだけの差なのですね。

きっと、自分の心だけに耳を傾けるのが「恥」、
公の心に耳を傾けるのが「聡」。

先人たちは、
こんなことを言いたかったのかもしれません。


◆先人からのもう1つのメッセージ

そしてもう1つ、我流ですが
こんな「恥」と「聡」の解釈があっても
良いのではないかと思っています。

私自身は、「恥」という感情は、
とても大切だと感じているからです。

私は、恥ずかしさを感じたとき、
それを土台として成長してきました。

多くの恥ずかしさの上に
今の自分があると言えるかもしれません。

今まで見えなかった自分の心が見えてきたとき、
恥ずかしさを感じます。

「こんなに私は自分勝手だったんだ」
「何も知らない未熟者だったんだ」

こんなことに気づいた時、
人は恥ずかしい思いをします。

そして、
その居心地の悪い感情から脱するために
以下の2つの道のどちらかを
選択することになります。

1つは、その場から逃げる。

もう1つは、
二度と恥ずかしい思いをしないために
自分を変えようとする。

そして、後者を選んだ人は、
恥ずかしさを超えて人間的に成長します。

その結果、周囲の人の未熟さを
受け入れる寛容さを身につけ、
自らの経験を踏まえて
「変わりたい」ともがく人を
後押しできるようになります。

恥ずかしさを感じるとき、
今まで見えていなかった自分の内面が見え、
等身大の自分と向き合えるので、
謙虚な姿勢になります。

今までこんな自分を広い心で
見ていてくれた周囲の方々に、
感謝の気持ちが湧いてきます。

そして、「自分も周囲の方々の
お役に立てる存在になりたい」と
思うようになります。

これこそが、「公」。

ここで、「恥」によって
心に「公」に尽くす気持ちが芽生え、
「聡」に変わるのではないでしょうか。


◆聡明

中国では、最高の智恵は「明」であると
されています。

 

中国の古代思想家である老子は、

「知」について以下のように言及しています。

 

人を知るものは智、自らを知るものは明。

つまり、「明」とは

自分自身を知るという智恵。

だから、「恥」をかいて自分自身を知ったとき、
他人の気持ちを理解できる「公」の心を持つに至り、
結果「聡」と「明」を合わせた人格を持つことになる。

だから、「聡」の前提に「恥」がある。

恥をかいてこそ聡明になれる。

そんな深い意味があると解釈することも
できるのではないでしょうか。

私は、どうしても自分をよく見せたいと
思ってしまいます。

等身大の自分でいることが
きっと不安なのでしょう。

しかし、だからこそもっと「恥」を
かかなければならないのかもしれません。

そして、その上で社会貢献(公)という
マインドを手に入れたとしたら、
私も聡明になれるでしょうか…。

まずは、自分の心に耳を傾けなさい。

そして、自分自身を知った上で
公のために心を砕きなさい。

そんな先人からのメッセージが、
この2つの漢字には
流れているような気がします。

 

 

誠真堂鍼灸院 東洋史

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