くーちゃん
バイト中に、
くーちゃんと出会い
会社に内緒で社用車に乗せて、くーちゃんを我が家に連れて来た日
くーちゃんは、私の膝から身を乗り出すようにして車内から外を眺めていた
くーちゃんのワクワクした気持ちが私の心に伝わってくるようだった
今でも、それは変わらず、車に乗せて獣医さんちに行く時も
ガリガリに痩せた体で一生懸命に背伸びして流れる風景を眺めている
くーちゃんのワクワクした気持ちが伝わってくる
でも、獣医さんに注射を打たれて痛い思いをするからか帰りの車内では、か細い声で泣いている
経済的理由で獣医さんちに頻繁に通うわけにはいかないが、
出来る事ならチャンと治療をしてあげたいと1000円を投資してロトを買った
お金がないのが辛い
~生と死と~
チビちゃん、愛ちゃん、キヨシロー、めぐ、くーちゃんと連鎖的に口内炎を発症した
獣医師の話によると
人間と違って猫の場合は何度も繰り返し発症するらしい
口内炎になる度に獣医師に抗生物質の注射を打って貰っていた
しかし、注射を繰り返し打つ事により
ウイルスも抵抗力が出来て薬が効かなくなり、チビちゃんと愛ちゃん、そして、
キヨシローは逝ってしまった…
めぐも逝った子どもたちと同じように注射が効かなくなった
私は獣医師に頼んで錠剤の抗生物質を貰ってきた
けれど、口を無理やり開けて飲ませるのは到底できないと判断して、めぐの大好きな鰹節に錠剤を包んで与えてみた
結果は大成功!
一日に二度の薬の投与で、ドライフードは無理だけれど猫缶なら食べれるまでに回復した
くーちゃんは口内炎と腎不全を患っている
目やに、鼻づまり、ヨダレと、かなり深刻な状態だ
一日に二度の抗生物質の錠剤投与とチューブに入った高カロリーの液状を無理やり、くーちゃんの口に入れているけれど 、くーちゃんにとって、こんな方法で命を繋いでいくのは幸せなのかなと、くーちゃんの気持ちを考えると切なくなる
骨と皮だけになった
くーちゃん…
頑張って生き延びてと言うには残酷な気がして…
性同一性障害の娘⑪
『私の人生やし!』
娘の発した一言で、
私は何も言えなくなった
そうかもしれない
娘も二十歳を過ぎた分別のある大人だ
親が、あれこれ言う歳でもない
娘に干渉するのは、よそう
その後、
娘はT子の暮らす北陸へ行きT子と合流して一軒家を借りる契約をしてきた
T子の望む駅の近くで買い物に便利な所だそうだ
娘は、書籍とCDをダンボールいっぱいに詰め込み宅急便で
新住所に送った
私の作った最後かも知れないアボガトとトマトのサンドイッチを食べ終わると
愛猫のキヨシローを
助手席に乗せて、おんぼろジムニーを運転して走り去った
『向こうに着いたら電話するわ!』
娘の最後の一言で
なんだかホッとする…
少しは、親の気持ちも分かってるのかと…
あれから1ヶ月になる
たまに電話で喋ったりするけれど、T子と仲良く暮らしているようだ

