みなさまこんにちは。災害が多い時期になりました。備えは万全でしょうか。

 今日は、霜が降りる地域に住む僕が、どうしてわざわざ熱帯果樹を育てているのかというお話と実際の写真をお見せできればと思っています。

 

1.熱帯果樹にはまったきっかけ

 中学生のころに、詳細は省略しますが、学校の特殊な学習において熱地果樹をテーマにしたことが、はまったきっかけです。そもそも温暖化が進行する中で、僕の居住地域においてもみかんの生産可能地域はここ50年で広がりました(学術的に言われていることではありません。あくまで地元民の感覚です。)。農研機構の出している地図では、温暖化の進行で栽培適地の北上が予想されています。

 (古い調査データなのですが、おおむね現時点においても正しい予測なのではと思っています 以下参照)

 

 現在、既存の温帯果樹が受ける影響を最小限にする品種改良が行われています。例えば、ブドウのシャインマスカットは、巨峰など色づくブドウが高温によって着色不良になるがために、緑色のブドウを作っておこうということになります。りんごの秋映は、色が濃いので、高温による着色不良がある程度あっても、少し語弊がありますが、ごまかせますよね。

 僕は逆に、一定程度の寒さに対応可能な熱帯果樹なら、農家の新たな収益化できる選択肢になり得るのではないかと考えました。そこで、中学生の間は、苗木を集め、各所(気になる方は個人的にメッセージいただければお答えします)を取材させていただきました。

 

2.持っている苗木

 それでは、今持っている苗木をご紹介します。これらは、忙しい僕にかわり、父が温室で管理してくれています。なお管理温度は加温室が最低2度、加温室外側が霜が降りない0℃程度と、節約している関係で、それに耐えられない種は取り扱わないようにしています。

 

~実がなった苗木たち~

三尺バナナ 

自分で作ったバナナの画像

2019年6月撮影 上の方しか大きくならず

 

自分で作ったバナナの画像

 

バナナの生育の様子の画像

2022年8月撮影 約40本できました。

最低0℃までいくので、冬に葉が枯れますが、復活して実をつけます。

 

アセロラ 

アセロラの花の画像

かわいい花たち でも結実率が1~2割なんです。ブドウと同じくジベレリン処理が有効なようですが試したことはないです。

 

アセロラ未熟果の画像

こんな感じでなります

 

グアバ、イエローストロベリーグアバ(テリハバンジロウ)

グアバ苗の画像

グアバの結実の様子

 

グアバの実の画像

左がストロベリーグアバ 右は普通のグアバ

特にストロベリーグアバは-6℃まで平気なので、育てやすいですが、種が固く大きいので、グアバの方がおいしいです

 

ジャボチカバ実生

ジャボチカバ苗の画像

幹に実が直接なります(写真では1つなっていますが見にくいですね)

大葉の四季なりと小葉の二季なりがあります

 

スターフルーツ実生

スターフルーツ苗の画像

これ・・・衝撃のカタバミ科なんです。あのカタバミです。雑草の。

 

アボカド

アボカドの結実の様子の画像

現在も成長中(これは5月の写真) (Aタイプハス実生にBタイプフェルテの花粉)

 

パイナップル

 

家で作ったパイナップルの画像

買ってきた実の上の部分を植えればなります。

 

~まだ結実にたどり着いていない苗木たち~

ライチ

ライチの木の画像

芽の管理が大変ですね・・・ あと根が弱いので注意を払っています

1回花が咲きましたが、大きくなりませんでした。環状剥離すべきだったかも?

 

ライチ実生

ライチ実生苗の画像

台湾産とオーストラリア産(写真)を育てています

 

アテモヤ実生

雌雄異熟の花なので、結実が難しいです・・・

 

 

3.熱帯果樹に関する僕の意見

 苗木の中に、マンゴーが無いことにお気づきの方は鋭いですね。消費者が注目する、実際の果実に関しては、国産マンゴーは非常にメジャーなブランドとなっています。太陽のたまごという宮崎のブランドの認知率は、果物の中でかなり高い方でしょう。また、少量ではありますが、国産アボカド(愛媛、和歌山、新潟など)、国産ライチ(宮崎県新富町がごり押し中)も人気が高まっています。また、モンゲーバナナと呼ばれる、休眠芽を凍結させて、耐寒性を高めた岡山発のバナナが特許を取得し、全国に広まりつつあります。
 また、僕のような(?)苗木コレクターのため、苗木販売をビジネスにされている方も見えます。ちなみに僕のマイルールは果樹すべてにおいて、「基本、2000円以上の苗は買わない」でした。小さい苗を買って大きくして実をならせています。ちなみに、このルールの適用外は、アボカドのBタイプ苗と、ライチの大苗のみです。

 僕の願いとしては、一般消費者が手に取れるような大量栽培が実現してほしいのです。よく、「儲かる農業」を掲げ、観光農園化やブランド化を進め、成功したという話があります。もちろんたいへん結構な話です。しかし、日本の農業がすべてそうなったら、「普段買う(安い)もの」の生産量が減り、需要過多となって値が上がり、値段を理由に購入を諦め安くてきれいに見える外国産を買う人が増える構図、(カロリーベース)自給率の低下につながります。すべてをブランド化するわけにはいかないのです。ハウスなしで大規模にアボカド・バナナくらいなら、品種を選べば生産が可能になる地域が沖縄以外にも十分にあると思っています。露地での大規模栽培というのは、天候や害虫などリスクが大きく、実は採算性が厳しいのですが、なんとか商業化にこぎ着けられないでしょうか・・・おまえがやれよって話ですかね(汗)

 

 僕の熱帯果樹の管理に関して詳しく知りたいかたや、ご助言いただける方、また感想等気軽にコメントいただければと思います。以前僕の記事にコメントしていただいた方、コメントありがとうございます。各コメントはコメント欄に返信文を書いていきます。

 

 次回は湿地についての記事を投稿予定です。