昨日の記事では、シングルの家庭であったことに触れましたが、決してシングル家庭の親が、子どもと向き合えない家庭なんだといいたいわけではありません。
私が関わったケースでは、完全に子育てを放置していたお子さんがシングルの家庭だったという話です。
このお子さんは、学校から帰ってくると母親が出勤していき、渡された小遣いで夕飯を買って食べる。夜は一人きりという生活が続いていました。
そんな生活から、夜の街へ徘徊する、悪戯をするを繰り返していました。
世の中が、まだまだ児童虐待について、即座に対応をする前の話です。
こうして、彼は保護されるべき環境下にいましたが、保護されることもなく成人していきました。
私たちの施設に来館できるのは、18歳までのお子さんたちでしたけど、ぐれた風な態度でいるのに、ひょっこり来館し職員と話をして帰っていく姿もあり、いきがっている服装の子どもが、ここに来るということが想像もできない状態でしたが、彼自身は、そこに違和感もなく来館していました。
悪さばかりをしてきて、そういう仲間とつるんではいたけど、どこかで普通の生活もしたくなるというか、普通の会話をしたくなるのではないかと受け止めていました。
私たちは、これを里帰りと呼んでいました。
さすがに19歳を超えてからの来館はなくなりましたが、どうしているかなぁ・・・と話題に上がる青年でした。
彼のママにはママの、そういう生活をしなければいけなかったという背景があったようなので、若い子育て世代のママたちへのフォローをする動きが活発にはなりましたが、無責任なパートナーのせいで、過酷な生活を強いられている人へのフォローも、同じ子育てに関していることなので、こういった事情の家庭もフォローできる世の中であってほしいと思った事例でした。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。