迷惑行為の報道から、その行為が迷惑をかけているという事であり、大変な損害が発生するばかりではなく、自分自身以外に家族の人生も狂わすことになるということを、どう伝えたら学べるのかなと考えてみました。
学校などでも、あの手この手で情報提供をしていると思います。
ですが、届いて欲しい子どもに届いているかとなると、届くべき子どもの心には届かないということもあると思います。
大人の話に耳を傾けようとしない子どももいるからです。
警察も、子どもたちが犯罪に手を染めないように、啓蒙活動をしてくれています。私の職場でも、夏休み中に事件に巻き込まれないように、子どもたちにわかりやすく指導をお願いしたことがありました。
刑事さんたちが迫真の演技で、知らない人の車に乗ったらいけないよと、劇を見せてくださり、迫真の演技すぎて怖がってしまった子もいました。
小学生までは、こういった講座もとても記憶に残ります。
中高生になると、真面目な生徒はきちんと向き合ってくれますが、聞く気のない生徒は寝てしまったり、知っているからと自分自身に置き換えて聞けないお子さんもいるのです。
保護者だけが一生懸命になっても限界があるでしょう...。
保護者が気をつけるように伝えていたとしても、自分の行いがふざけているだけで迷惑という感覚がないお子さんもいます。
おふざけで場が湧いてしまうことが快感で、TPOをわきまえず、どこでもおふざけスイッチを入れてしまう子。
流石に、中学生くらいになると、あまりにも幼い行為から友人が離れてしまい、孤立してしまうというお子さんもいます。
ちょっと前まで一緒にふざけてくれたのに、それができなくなる。
本当は同級生と今まで通りにふざけたいのに、その同級生が離れていってしまった。孤立は辛いものです。
大人でも孤立は、相当キツイと思います。
そうすると、後輩に白羽の矢がたっていきます。
後輩は先輩からのからかいを無碍にできず、付き合ってしまいます。
本人は笑ってくれるのが楽しくて、おふざけをエスカレートさせていき、やっと取りこんだ後輩も去っていってしまいます。
ここで本人が出してくるアイテムが、お金なのです。
おふざけをして楽しませてくれて、奢ってくれて、楽しい先輩だと、そのうちくっついてくる後輩も出てくるのです。
相手の気持ちをとどめておくために、本人もかなり必死です。
大盤振る舞いをしてくれる先輩に、お金目当ての友人、後輩が残ります。
悪いことばかりする子とは、付き合わないで!という保護者もいますが、そうやって離れていった子どもたちもいますが、孤立したからといって反省するわけもなく、基本的には変わらない行いで、別の集団が出来上がっていくのです。
センターに来た時に、奢って人の心を繋ぎ止めるのは必要ないよ、と話し合いを設けた事もありますが、度重なっていくとセンターには来なくなってしまいます。
保護者、学校、センターで関わってきましたが、それでも食い止めることができない暴走もありました。
なので、見守れる大人の数は多い方がいいと思います。
何かやらかした時に、注意をするだけが大人の役割ではありません。
肝心な時に注意をするには、普段からのやり取りが重要なのです。
センター周辺の町会の方が、子どもたちを犯罪者にさせない為にと、子どもたちに声をかけるという事を意識して行なった人たちがいました。
中学生になってから声をかけても、うるせーと拒否されておしまいになるから、小さい内から声をかけることで、あの公園で声をかけてくるおじちゃん、おばちゃんがいるって知ってもらおうと。
そうすると、中学生、高校生になってもあら元気?久しぶりね?ってなり、その先の話もできるようになると。
私は当時、素敵な取り組みだなと思いました。
世の中が、最近の子はとなっている時に、大人から否定され続けている状況では、大人との信頼はうまれないと。
まず、そこからだと、取り組まれていました。
なので、この町会の人たちは、子どもの名前もよく知っていました。
○○公園でよく遊んでいる、□□くんだよねと、スラスラ出てくるのです。
中学に進学したときに引越したお子さんが、転居先から自転車をこいで、1時間もかけて公園に遊びにきている話を聞いた時、うざがってばかりいる子どもばかりではないんだよなぁ....と思いました。
頻度は減っても、高校生まで近況を報告に来ていたそうです。
あそこに行ったら、自分の話を聞いてくれる人がいる。そういう場所があるというのも大事ですね。
若い人たちには、うざいとか、放っといてという声も聞こえそうですが、私はこの取り組みが、とてもいい取り組みだと思いました。
どこかの場所に、子どもたちをどうにかしろ!と押し付けるだけでない、地域でできる事をやろうよという意識が、凄いなと思いました。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。