第13話「焔vs鋼」に続き、大佐の回その2です(きっぱり)。またしてもギャグからシリアスまで、「・・・おい、俺が考えたことをいっていいか」から 「網を張れるか」「生身の人間相手の方が恐ろしい」まで、大佐の魅力全開の回です。今回はなんとキャストトップまでもっていきました。エドとアルが出番な いので・・・イントロのいつものアルの台詞まで、リザさんがもっていったし。おい、誰が主役だ(笑)。あ、でもエド役朴さんとアル役釘宮さんは意外な? キャストで出演していましたけど。(兄弟の次は親子か)
いやー、それにしても噛めば噛むほど味の出るキャラですなあ>マスタングさん。なかなか本音を出さない食えないとこも、偽悪趣味のとこも、その割に見え透 いたとこがあるとこも、雨の日無能もサボリ癖も黒髪も四歳児まで口説いちゃうとこも(ヒューズがあの世から化けて出てくるぞ)、実においしいです。このま ま年くっていけば、三十年後あたりには順当にいまの大総統閣下がやれるのではないかと、おおいに期待しちゃいますね。

単なるコメディの回かと思っていたら、これまた13話同様足元すくわれました。裏ではさりげなく、シェスカを使って探索するアーチャーさんとか、そのやり ように煮詰まったアームストロングのすっぱぬきとか(アームストロングにしてみればマスタングの方がまだしも気が合うしやりやすいだろう・・・それに階級 からいっても国家錬金術師である点からいっても食えなさからいっても彼ならアーチャーを抑えられるしね)、アーチャーさんと大総統のやりとりとか(ここで まともにあの大総統に話をもっていくあたり、アーチャーさんもまだ甘いな。事態の把握が一面的というか)、両親の死の真相を知ったウィンリィとの再会とか (間違いなく、知られたと悟りましたね、マスタング)さりげなく、今後のヘビーな展開への伏線が蒔かれております。そして、舞台は東部、リオールへ。

次回、はためいわくな兄弟喧嘩? そして、1話で2度も失恋してしまったハボックさん、ご愁傷様です・・・「いい人」といわれてふられるタイプですなあ、 彼は。
イシュヴァールと錬金術と賢者の石の関係がかなり明らかになってきました・・・って名無しの老人のおかげだが。32話以来のスカーとマスタングさんのその 後も出てきます。まあ、さすがはマスタングってとこですね。威嚇攻撃はできるだけ派手に、でも実際の被害は出さない、と。
本質的にマスタングという人は、人殺しが嫌いなんだと思います。やむを得ないときには決してためらわないけど、やりたくてやっているわけじゃない。この 点、知的ゲームとして戦争が好きらしいアーチャーや、爆発大好きのキンブリーとは対照的です。そういえば5話でも列車強奪犯に向かって「一人も殺すな、さ もないと」といってましたっけね。(ここで彼にはまったんだけど)
そしてどうやら、グリードの件を乗り越えて、エドもそれに近づきつつあるような・・

さて、エド一行と再会したホークアイさん、今回ダントツにかっこよくて素敵です。ヒットはエルリック兄弟に銃撃くらわしておいて「あなたがたならよけると 思って」、と最後の「それを決めるのも私よ」ですね。しかしここで、原作24話のウィンリィとのあの会話をもってきますか、やるな・・・と思っていたら、 やっぱりこの回の脚本は會川氏。

前回の予告で「げ、ヒューズさんの死はここでウィンリィにはばれるのか」と思っていたら、もっととんでもない事実がばれてしまったんですね。エドとアルは 15~16話で察していたんだけどウィンリィには黙秘していたあの事実。(とてもいえないやね)どうやって、あの頑固なウィンリィをエドとアルの側から ひっぺがすのか、と思ってみてたらこのネタできましたか。うわあ、痛い。それを知った後でウィンリィが触れるのがまた、ホークアイさんと故ヒューズとい う、マスタングを信頼することにかけては双璧ときたから、また痛い。この衝撃度の前にはヒューズの死さえもちと影が薄いかも。というか、逆転して痛さ倍 増。ウィンリィ、ヒューズのことは信頼してたからねえ。そのヒューズが大総統にするとまで思い決めて、結果命を落とすことになった相手が、実は・・・そし て、これは全部見ている視聴者しか知らないけど、マスタングがそう決意したきっかけもこの事実で、そしてそれゆえにリゼンブールに来た結果、エドとアルを 見つけて、彼らの旅が始まったという事実も考えると・・・うーん、世界は見事につながっている。もはや何が原因で何が結果か、何が正しくて何が間違ってい たのかも渾然となりつつある。まさに「一は全、全は一」
さあ、ウィンリィどうする。本人に直接、直談判に出ますか?

イシュヴァールの民と追放者の話は差別と人間というものの本質を突いていてきつい。差別された人間が憎むものは差別そのものではなくて差別した人間であ る、という本質。だから、差別された人間が新たな差別を作ることもある。そして、差別の根源が「自分とは異なるもの」に対する恐れであるなら、この世で心 の中に差別という感情をもたない人間はいない。問題は、それを正当化して行動に移すかどうかの違いだけ・・・でもその差が大切だ。そして正当化しないため には、そんな恐れが自分のうちに存在するということを認めることから始まるのではないか。

そしてエドとアルは、スカーの向かったイシュヴァールへ。ホムンクルスたちも、その後を追って、いよいよアニメは最終クールへ・・・と思ったら次回は、軍 部ネタで笑って一休み。まあ、このところヘビイでハードだったからねえ。たまには「豆」といわれてキレるエドとか、「無能」といわれて落ち込む大佐をみた いですよ(笑)

そうそう、前話で書き忘れたこと。35話冒頭のエンヴィーとラストの会話を見る限り、34話の「ライラ」はエンヴィーでもラースでもないですね。一体誰 だ・・・そしてどうしてダンテは死んだのでしょう?
ラストさんのエピソード。
ホムンクルスが前世?というか甦らせようとされた人間の記憶をもっているのか、という命題が出てきましたね。ラストさんは潜在的にもっているようで、でも それを甦らせたルジョンを許せなかった、ってことは、自分の中にいる他者「スカーの兄の恋人」の存在を認めたくなかったということですね。つまり、ラスト という自我は別に確立しているわけだ。
そして、自分はどこから来て、どこに行くのかなどと考えるのは、かなり人間に近い・・・なるほど、「人間になりたい」というわけだ。

前話にも絡みますが、グリードやラースを見ていると、ホムンクルスがホムンクルスとしての自我と特殊能力を得るのは「赤い石」を食べてからだと思われま す。最初にそれを見いだしたのは誰なのか、そして「あの人」とはいったい?

最初、リビアを襲おうとしたちんぴらを一人でのしちゃったエドを見て、ここ数話のストレス発散か?とか思っちゃいました。久しぶりにチビの一言で切れてま したしね。