雨は嫌いではない。

春の雨の方が好きだけど。
春の雨は花の香りがするから。
恋する気持ちの香り。

秋の雨は淋しい。
灼熱の夏を追いやり、
落葉を濡らす。

綺麗な落葉が可哀想。

雨が終わると、風が吹く。
楽しい風。

乾いた落葉は、コーンフレークの音がする。

私は追いかけて踏む。
楽しい。

冷たい風がビュンビュン吹く。

頬にあたり、髪を飛ばす。
立ち向かう冷たさが、好きだ。

叩きつけられて、這い上がる強さに似てる。

恋の香りに、包まれるのも、好き。

這い上がる強さも、好き。

穏やかさを求めながら、好きなものが違うのは、
なぜだろう。

メリーゴーランドに乗り、砂浜で夕日を見る。

人は、そうして生きているのだろう。




昼間の苦しさが、ひどくなっている。
カミソリとの闘い。
リストカット二回は、辛かった。
二回だけだった自分を、誉めたいところだが、辛さの大きさとは比較にならない。


なおねのブログよりー

いい言葉だなぁ。

相手を振り回さない。

見守る。

私の愛のカタチ。

『イルマーレ』の中の、一文。

かつて、私にもそんな人がいた。

ふと、思い出すのだ。

一緒に笑い、労り合い、穏やかな日々を過ごした。

文学、絵画、音楽、化学。

私の知らないこと、沢山教えてくれた。

料理、洗濯等々、自分のことは自分でするのが当たり前の人だった。

両親が共働きて、兄とふたり兄弟だからか、そう育てられたようだ。

お兄さんの卒業と同時に、同じ大学に入学し、アパートをそのまま使っていた。

背が高く、アパートのかもいに、よく頭をぶつけていた。

友人から譲り受けた車を、首を傾けて運転していた。
知り合った頃は、まだ院生で、薬品で荒れた手をしていた。

怒ったりしない、おごりのない人。
自分は『頭がいいんじゃない、学習のコツをつかむのが上手いだけ、受験何てそんなもんさ。』と言っていた。
『勉強しろ』と、親は一度も言わなかったそうだ。

一度、彼の郷里で、花火大会を見た。
仙台の花火大会も有名だが、彼の郷里の花火大会も全国的に有名だ。
でも、仙台のように、ビルの立ち並ぶ町ではなかった。
落ちついた、山あいの町だった。

大学院を中退し、アルバイトをして暮らす生活を、いつまでもしている訳にもいかず、郷里に帰って行った。

私は、『一人でも大丈夫』と思っていた。

ひとりで、仕事をし、ひとりで泣いた。

大丈夫と思っていた。


一年程過ぎたある日、ペデストリアンデッキの真ん中で、足が動かなくなり、悲しくもないのに、泣きながら立ち尽くす私がいた。

精神科に行き、『あなたは、うつ病です。』と、初めて言われた。

大丈夫ではなかったらしい。
私の心は壊れてしまった。

ふと思う、辛くて苦しい時、彼ならどうしてくれるだろうかと。

あんなに、私を理解してくれた人はいない。



すこやかでいてほしい。


生田宏司作品(山形県).JPG