妹が帰った。
手を振りながら、キラキラした笑顔を残して。
『今度はカラオケ行こう!』
だって。
もともと美人だから、ゆっくりリフレッシュできたみたいで、美しかった。



良かった。
今日も空が綺麗だ。
妹が愛してやまなかったフランちゃん。
私の部屋の押し入れで産まれ、新幹線でもらわれて行った猫。
スパイシーのお姉さんだ。
妹の猫好きの歴史の始まり。
可愛い子猫を20匹も産んで、どの子猫も、飛ぶように貰われた、伝説の猫だ。
数ヵ月前に、除草剤に触れたらしく、突然亡くなった。
今は、野良猫だったベリーちゃんを
飼っているが、悲しみが癒えないでいる。

今は、スースーと寝息をして寝る妹。
電話で話す時は、いつも怒っているが、私と会う時は穏やかだ。
シャワーを浴び、ビールを飲みながら、『美味しい美味しい』と沢山食べる。大袈裟なくらい喜ぶ。
猫の映像集を見ながら、声をたてて笑う。
笑い声が聞こえると、幸せだなと感じる。
私を『お母さんだと思ってる』と言ってたけど、一緒にいると母親のような気持ちになる。

同じ親に育てられ、妹は可愛いがられ自慢の娘だった。
私は、自閉症で親になつかない、憎らしい存在だった。

殴られた思い出しかない私は、親に頼らないし、優しくない。
可愛いがられた妹は、さまざまなしがらみに、振り回される。
ふたりで貰われて来たのにね。

私の部屋で、スヤスヤ眠る妹。
痛々しいと思う。
少しでも、安らいでくれればいい。

またおいで…
美味しい物、たくさん作って待ってるから。

地下鉄の乗りかたが、分からない。
とメール。
朝から、どんだけ待たせるんじゃい。
忘れてた。
妹は、『学習しない人』だった。

地下鉄の駅で待つ私。
寒い。
20分もあれば着くやんか。
新宿やないんやから❗。