認知症高齢者を対象とした、悪質な詐欺行為。

ニュース等では聞いていたが、身近に起こっていた事に驚いた。

今年の5月に、母が亡くなった。
母と言っても、3歳の時に両親は離婚し、私の記憶にはない。

晩年の母は、認知症を患い、見舞いに通う妹も認識出来なかったと言う。

母は、認知症を患う少し前から、社交ダンスのサークルで知り合った男性とお付き合いしていた。

認知症を患ってから、その男性は母の家に目貼りをし、自分以外の人物との接触を遮断した。

病院へも連れて行かず、冷凍食品を食べさせ、母の預貯金で生活していた。
妹が訪ねても、追い返されたと言う。

ケースワーカーと一緒に訪ね、成年後見人をたてた時は、後の祭りだった。
相続問題が発生したが、母は遺言状を残していた。
自分の亡き後、相続争いなど、起きないようにだろう。

遺言状の内容は『不動産は妹に、預貯金は私と妹で等分に』と記載があった。

後見人から、引き継ぎされた母の預貯金は200万円程だった。

私は相続放棄の手続きをし、後は妹に任せることにした。

今日、妹から、作成された遺言状の原本を見つけたと電話があった。

驚いたのは、遺言状作成日に記載されていた、当時の母の預貯金の額だ。

不動産200万円
預貯金、株券6000万円。

どこの誰とも不明の男性が、母の預貯金を殆ど使ってしまっていたのだ。
競馬が好きだったとは聞いている。
外出する時は、母を家に残し、外から鍵をかけていたそうだ。

財産がどうこうではない。

どうしたら、他人の6000万近い金銭を使えるのだろう。
認知症の母を監禁し、何年も同じ服を着せ、冷凍食品を与えて。

母が認知症で良かった。
きっと、良い思い出だけ、持っていったと思うから。
どこの誰とも不明な男性は、母だけではなく、づっとそんな人生を送ってきたのだろう。
彼はそれで、幸せだったのだろうか。

私には、想像することの出来ない人生だ。

母はともあれ、認知症高齢者に悪質な行為をし、悲しい目に合わせるのは止めて欲しい。

せっかく、長く生きたのだから、穏やかなまま生活させて欲しい。

壊れた日本人にならないで欲しい。