とある国のとる町。
と言っても日本語が話されるという場所。
そこで偉大な人がいた。
その名をブヒー。ブヒーマンという神を祀り、ブヒヒ教の2代目教祖である。
ブヒーはその生涯において数々の奇跡を起こした。これはその偉大にして神の独り子ブヒーの話である。
「ブヒーよ。悟りを得てから久しゅうな」
ブヒーはその師、ブヒー・ザ・ファーストから言葉をかけられる。しかし、ブヒーは黙っている。座禅を組んでいるブヒーはブヒー・ザ・ファーストより大悟徹底、と評されたほどである。ブヒーは座禅を組みながら深い瞑想に入っている、そうブヒー・ザ・ファーストは思った。
「はっはっはっ。瞑想中、雷より大きな音を聞いてもお釈迦様はピクリともしなかったと言う。流石はブヒー。どれ私も隣で瞑想するか」
ブヒー・ザ・ファーストはそう言うと奥の隣の座敷に入り瞑想した。
1時間して、ブヒーの付き人、アルカイダがやって来た。アルカイダとブヒーは同門の共に魂を磨き上げる事を楽しみにしていた唯一無二の親友だった。魂というか、たま磨き、というか…
「おい、ブヒー」
「なんだ? 俺今寝てんだけど」
「いつも変わった寝方すんだよな、お前。なんで椅子に足を組んで、手を組んだ足の上に持ってくんだよ?」
「いや、訓練の賜物さ。これはな、ハンカシユイゾウ、って言う、お釈迦様の生まれ変わりがこのようにする、って言う座禅の仕方なんだ。ちょっと学のあるやつだと、まさか、俺が寝ているなんて気がつかないだろ?大変だったんだから、このポーズで寝る癖つけるの」
「そんなんでよく眠れるの?」
「コツがある。でもまあ、そんなことより何の用だよね?」
「頼まれていた本持って来たんだよ。『女にモテるコツ。10の秘訣であなたもモテモテに』。税込1050円。かなり前の本で廃盤になっていたから、2000円でどうだ?」
「廃盤になったなら、人気がなかったからだろ?500円にしろよ」
「ふっふっふ。それがこの本はただの本じゃない。どちらかといえば、冊子だ。小冊子。それがなぜ1050円もするかと言うとだな、これは惚れ薬の作り方、恋を成就する魔法の言葉、その他諸々の秘術が書いてある物で、たった5ページしかないのに、1050円する。本当だったらもっとするんだけど、出どころがよその国。外国。だから、円高で仕入れた結果、1050円という値段になるんだよ」
「う〜ん、本当?胡散臭いなぁ」
「イカ臭いのよりかはいい。お前臭うよ? 服洗っている?」
「ここ5日程洗っていない。だってこの袈裟しかないんだもん。明日土曜日に服洗うよ」
「お前さ、少し、たま磨きやめて、竿を洗ってこいよ」
「バッカ、ヘソ下の話は陽の高いうちはしないんだよ」
「もう陽は低いよ。いつまで寝てんだよ。今日は夏至だよ?7時ごろまで明るいんだよ?」
「おお、ジーザス」
「なんで、そこでキリスト教?」
「言ってみたかっただけ。それより、さあ、俺手持ちの金500円しかないからさ、残りは貸しって事で」
「貸し?お前この前肉食べた時も500円貸せって言って俺から借りなかった?俺ちゃんと覚えているよ?」
「ちっ。ケチンボ」
「ケチで結構トンマで悪い。そんなに欲しけりゃ坊主やめて働きな」
「坊主とコジキは3日やったらやめられないんだよ」
「それなら、知恵を出すんだな。言っておくが、盗んだら半端ないよ?」
ブヒーは賢い。知恵だけはある。果たしてブヒーはこの本を手に入れられるか?
以下次号。