お客様に育てられています
フロリダ、オーランド市内にある旨いと言われているメキシコ料理屋に行きました。
お店は、ファミリーレストランを数ランクアップさせた感じのレストラン。内装も凄く凝っていて、賑やかで楽しくなるレストランでした。
お料理は、大量の客数を捌くために開発されたタイプのお料理で、手作り感や料理人のこだわりというものはあまり感じられませんでしたが、ものすごく合理的に手間を省いてありつつ、味のバラつきを無くし、お料理の種類を増やし、単調にならぬよう研究されていました。
絶賛する程ではないけれど、お客様の味の好みに左右されないよう、平均的で無難な味付けは人気のひとつではないかと思います。
奇抜さは無いけれど、ここで食べれば安心・・・というスタンス。大切な事だと思います。
一時期、完全伝統的メキシコ料理を目指していたドンブランコも、現在はお客様のニーズに合わせ、お料理もだんだんと進化しました。
やはり、食べたことも無いような不思議な味の伝統的メキシコ料理より、大衆的に慣れ親しまれている味を求めてご来店して下さるお客様が多数ですからです。
伝統料理をご希望するお客様にはすぐ対応が出来る技術は持っているだけで貴重な財産となります。例えばメキシコで食べたモレをご希望のお客様には、普通の日本人なら顔をしかめるような不思議な味のする本場メキシコのモレをお出しします。
料理人としてのコダワリも大切だとは思いますが、お客様の声に耳を傾ける事は無視できない大切なことなのだと思わせられる毎日です。
そうやってドンブランコはお客様に育てられてきたのです。