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6年前。

帰省先の父親の実家で家族とはどんなものか、あらためて気付かされた。

 

…いや。

自分の中の家族像がこれだったんだと理解した。

 

 

 

 

 

帰宅すると妻は子供達を置いてどこかへ消えていた。

二人が寝てる間に何か言い残して出ていったようだが…


長男に
「今度からお母さんが出掛ける時、お昼に戻るのか聞くんだよ!」
と伝えた。

しかし
「そんなの、どうでも良いじゃん」イラッ
と、不貞腐れた表情。


ついさっきまでの、父の実家の人達と大違い。
なんでこんなにも家族に無関心なんだ…

もう一度妻に電話したが、出ない。





「もうダメだ。
 離婚する!」






 

 

「何、イラついてんの?
 そんな事で!」ムキーッ







「男と遊んでるような奴と、一緒にやっていけない!」





「そんな事…本当に まだしてるの?」しょんぼり




 

「嫌なら、お前も出てっていいよ」





「…」アセアセ




ちょっと言い過ぎたかな…

 

 

 

と、ここで精神安定剤を飲んでない事にやっと気付いた。

 

やはり服用しないとダメだ。

子供にまで当たってしまった…

 

 

 

 


妻へメールした。

返事なんてないだろうけど。

━─━─━─━─━─
子供達に何も言わず、どこ行ってるの?
昼に帰るの?
━─━─━─━─━─





昼食を用意する必要があるなら、連絡してくれたら帰宅途中で買えたのに。

もうすでに正午をまわってる。

もしかしたら妻が何かを買いに行ったのかもしれないが、子供達はわからないと言うし…


長旅の疲れと薬の影響もあり、疲れたので布団に横になった。
すると長男がキッチンで調理を始めた。

めずらしいな…


少しウトウトし出した、その時。

 

 

 

 

 

 

 

携帯音符ブルー音符むらさき音符ピンク音符

 

 

 

 

 

 

 

この、あまり聞きなれない着信音は…
妻からの返信だ!

 

 

━─━─━─━─━─
美容室
二人には言って出かけたよ
もう少しかかる
━─━─━─━─━─



 

━─━─━─━─━─
連絡ありがとう。

二人とも、聞いてないって言ってるけど。
とりあえず、有るもの食べてる。
━─━─━─━─━─

 

 

 

 

 

その後、帰宅した妻に声を掛けた。

 

 

 

 

「あのさ。

 出掛ける時はいつまでに戻るのか、ちゃんと伝えて行って」



「二人には言った!」ムキー
と言って、長男をにらんだ。



「言う、じゃなくて、伝えて。
 二人とも寝ぼけていて良く聞いてなかったって。
 ちゃんと伝えてから出掛けて」

 

 

 

 

 

 

 

その思いが伝わったのだろうか。

ただ言葉を発するのではなく伝えようという意思が感じられるようになっていった。

少しずつだけど…

 

 

 

 

 

今は妻がナニしてようが気にならないので、こんな事で腹を立てる可能性はない。

生活費をおろす為の通帳はいつでも渡せるようにしてあるし、クレカも渡してある。

でもそれをむやみに使ってる形跡はないし、出掛ける時もちゃんと行き先を伝えてくれる。

 

俺を不安にさせないよう気遣ってくれてるのがわかるから、安心して毎日を過ごせてる。

妻よ、ありがとう。