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6年前の iPhone 発売日。
就職活動してた長男に内定が出た。
そのお祝いに新しいスマホを買ってやる事にした。
…かなり強引だったけど。
携帯ショップから帰宅した長男と妻。
「お父さん、ありがとう」![]()
「ありがとう、じゃないよ!
無理矢理だよ!
でもお祝いだからしょうがないけど、これ以上 我儘言うなよ!
っていうか そのスマホ、今朝テレビで特集してた今日発売の高額機種だろ!」
「へへ…うん。ありがとう」![]()
とその時、コソコソと二階へ行く妻の姿が目に入った。
何か紙袋を持ってる。
追いかけて寝室へ行くと、長男と同じスマホがその手に握られていた。
俺は、めったな事では怒らない。
職場でも子供達に対しても。
相手が女性ならなおさらだし、それまでに妻に対して怒った事なんてあったろうか。
無視されても経済DV受けても…
心の底から これほどまでに誰かに怒りを覚えた記憶なんて無い。
「どういう事だよ!
長男はお祝いだから良いとして、なんでお前も買ってるんだよ!
ふざけすぎだよ!」
「前のは、もう電池がないから!」![]()
「毎日毎日、使いすぎなんだよ!
俺はガラケーだっていうのに」
「自分の小遣いで買えばいいじゃ…」
言いかけてハッとしてやめたけど、もう遅い。
「ああ”っ?
俺の小遣い いくらか
知ってるだろうが!」
当時は「小遣い」が少なくてろくに食事もとれず、医者に心配されるほどやせ細っていたというのに。
バァーン!
思いっきりドアを閉めて一階に戻った。
そして関係修復を誓ってはめ続けてた結婚指輪をはずし、わざとキッチンの目に着く所に放置した。
それからしばらくの間、妻と口をきかなかった。
無視される事がどれほど辛い事か、身をもって知るが良い!
数週間もすると無視に耐え切れず完全に壊れた。
俺は何年も耐えてるんだけど…
そしてこれをキッカケに不倫の証拠になるような物を俺の目につく所に置くようになった。
隠し続けてる事が辛い、だけど自分からは言えない…
そんな気持ちだったのだろう。
iPhoneの新機種が出るたびに、あの日の事を思い出す。



