●ウクライナが国家ぐるみで隠蔽するリークされた電話
[三橋実況中継]ウクライナ危機「新」経世済民新聞 様より転載
リークされた会話は少なくとも14年2月4日より前のものなのですが、重要なのは「EUのくそったれ」の部分ではありません。2月22日のヤヌコビッチ大統領追放「以降」のウクライナ暫定政権の人事について、ヌーランド国務次官補が事前にパイアット大使に指示をしており、そして実際にその通りになったわけでございます。
ヌーランド国務次官補は、「将来のウクライナ政府の首相として最適なのは、ヤツェニュクだ」と、語っており、その通りになりました。(その後、7月24日にヤツェニュク政権は崩壊してしまいますが)
ヌーランド国務次官補とパイアット駐ウクライナ大使の会話をリークしたのは、まず間違いなくロシア情報部だと思いますが(盗聴していたのでしょう)、何というか国際社会の「凄まじさ」をリアルに感じさせてくれたエピソードでした。
現在、アメリカや欧州はウクライナ問題を巡り、ロシアを批判し、経済制裁を実施し、ロシア側も報復措置を発表しています。日本にいると、「西側」のメディアの影響で、ロシアが「悪の親玉」のようなイメージになってしまいますが、ことはそう単純ではありません。
上記、ヌーランド国務次官補らの会話一つとっても、アメリカ側がウクライナのクーデター(ヤヌコビッチ追放)に「事前に」関与していたのは明らかなのです。
もちろん、だから「ロシアは悪くない!」といったナイーブな話でもなく、要するに各国共に自国の国益のために、やれることは何でもやる。というのが現実の世界だよ、という話でございます。アメリカが掲げる「民主主義」にしても、結局のところ情報戦の武器の一つに過ぎないというのが現実の世界です。どちらが善だ、どちらが悪だといったナイーブな見方から抜け出るためにも、今、ウクライナ危機について書いておく必要があると考えたのです。
●【三橋貴明】日本で報じられないウクライナ問題の真実
●アメリカのヌーランド国務次官補とパイアット駐ウクライナ米大使の会話
YouTubeにリークされた盗聴された電話内容【日本語訳】 PDF.