「予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。これほどリスクが小さく苦労の少ないイノベーションはない。しかるに予期せぬ成功はほとんど無視される。困ったことに存在さえ否定される。」
「マネジメントにとって、予期せぬ成功を認めることは容易ではない。勇気がいる。同時に現実を直視する姿勢と、間違いを素直に認めるだけの謙虚さがなければならない。予期せぬ成功をマネジメントが認めないのは、人間誰しも、長く続いてきたものが正常であって、永久に続くべきものと考えるからである。自然の法則のように受け入れてきたものに反することは、すべて異常、不健全、不健康と拒否してしまう。」
(ドラッカー『イノベーションと企業家精神』より)
このとてもわかりやすい例が、先の大戦開戦時、マレー沖海戦で、日本海軍航空隊がイギリス海軍の戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスを撃沈した(航行中の戦艦を航空機だけで撃沈した世界初の事例)が挙げられます。
航空優先論はすでにありましたが、それが実証されたのにもかかわらず、日本海軍はそれまでの大艦巨砲主義にこだわり続け、一方アメリカはそれを戦略転換の機会と捉えて航空戦力に軸足を移し、また航空機はじめ兵器の製造と搭乗員育成も、量産できるラインを確立して生産性向上を果たし、まさにイノベーションの力で日本軍を圧倒していきました。
アメリカが優れていたのは単に物量だけではなく、それよりもこうしたイノベーションの仕組みを組織的に取り入れたことで、戦力を飛躍的に向上させたことがあります。(アメリカはすでにこの頃からフレデリック・テイラー等の事例でイノベーション=生産性向上の研究が始められていました。)
一方の日本はどうか。
深刻なデフレが進行中で日々衰退していく日本のみならず、米中経済戦争、イラン問題等で世界経済が減速することが確実な中、消費税10%増税断行。世界中から冷笑される、まさに自殺行為の愚行です。
「MMT」といった理論的に正しい、実践的な政策を感情論で全否定し、ろくに検討もしない。先の大戦の陸海軍、大本営・軍令部とまるで同じです。
自分がドラッカーを「イノベーションの共通言語」としなければならない(そうした大前提がないとまず失敗する)、と考えるのは、こういう理由からです。
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第一回天隊・出撃記念写真 第18号輸送艦乗組員と共に(光基地)