もう相当むかしに読んだ本なので、細部の記憶は曖昧なのですが、要旨、「ヨーロッパのかつてのある農村地帯で、収穫のさい、ある一定の穀物であるとかいったものを、わざと残しておく。そして日が暮れると、一家の働き出を失った家族であるとか、寡婦であるとか、収入の糧のない人たちがそれらを拾って帰る。そういう風習があって、社会のバランスを成り立たせていた・・」、といったことが書いてありました。
このことが頭の片隅に残って、今もずっと忘れられないでいます。
おそらく同じようなことは、どの国の、どの地域にもあるでしょう。
そして今の日本は、そういった風潮を排除していく傾向にあるのかも知れません。
言葉に、口にしてはいけないこと。目を閉じて、あえて見ないふりをしなければならないことが、人間の営みの中には確かにあります。
それを言葉で考え、伝えていくにはどうすれば良いのか。
そんなことを時々考えます。