「きもと」特有の乳酸系の爽やかな香りが鼻孔をくすぐりワクワクする。口に含むと、穏やかで上品な旨味を感じ、温まるほどに膨らむが、期待値の手前で伸びが止まるのが口惜しい。すぐに柑橘系の酸が追いかけてきて、渋味とともにキリッと引き締まった強い酒質と透明感を演出する。「洋ナシ」に「甘い夏みかん」を足して2で割ったようなイメージの余韻がある。もっと旨味が開く1~2年後の酒質が愉しみだ。
燗につけると、旨味がより凝縮してバランスが良くなり、滋味深い。燗冷め燗も面白い。