避難の落とし穴
D O N:
あらッ!ハリーくん、久しぶりだね・・・今日、どうしたの?
HARRY:
どうしたのって?それ……俺も聞きたいよ。
D O N:
何ヶ月も姿を見せないから、とうとうどこかの天使がきみのしつこさに我慢できなくなって、ハリーくんをブラックホールに投げ捨てたんじゃないか、と心配していた。
HARRY:
なにをバカなことを言ってるんだ……お前こそ、何ヶ月も行方不明になってよ、今日は何で久しぶりにここにスタンドバイしてるのか?
D O N:
いや、僕はお父さんに呼ばれて、今日ここに来るように……
まさか、きみも声をかけられたの?
HARRY:
あそうか、これで分かった。親父が後ろで糸を引いていたなア~。
早い話、俺たちにまた話題を押し付けるつもりだろう。
こんどはナニ?
D O N:
いやね、きみも知っている通りで、日本は地震、台風などの自然災害の多い国でしょう。にもかかわらず、日本人は教訓から学ばずに、次々同じ失敗をし続けているでしょう。そしてそのしわ寄せはいつも弱者、年寄り、身体障害者、そしてぼくたちの動物に押し付けられてきた。
HARRY:
そうだね、福島のときもそうだった。よく覚えているよ、人間は避難したが、犬猫は、家族でありながら、置いていかれてしまった。
モノ扱いと言うか、ゴミ扱いだよね。
優しい飼い主は一生懸命に自分の家族を守ろうとしたときでも、「つれては駄目だ!」と言われて、自然災害以外にもつらい思いをしてきた。
最低だね!
D O N:
だからお父さんはね、日本国民に現実を伝えるように、ぼくたちに声をかけた。
何とかしないと、次の災害のとき、また同じ結末になってしまうんだ。
読んでみると、本当に酷い話だよね。
でも、それが日本の現実。
HARRY:
俺も読んだときに、ビックリした。
命の尊さの本当の意味は、霞ヶ関のこっぱ役人にとっては何だろう?
意味をぜんぜん理解してないぜえ。
同じように、あのバカ安倍がいつも言っている「安心・安全」もデタラメだよね。
家族でありながら、災害のとき避難できない?避難させない?
じゃ、俺たちはなんだろう!? モノ!? ゴミ!?
D O N:
それでは、お父さんの抗議文を読みますから、皆さん、ちゃんと聞いてくださいね:
避難の落とし穴
動物愛護支援の会 代表 マルコ・ブルーノ
日本は危険性の高い地震国です。その原因はプレートの動きによって活発になっている活断層です。
三の強大プレートが日本の下でぶつかりあいをつづけているので、最近の調査では日本全国の活断層は約2000本が存在していると分かってきました。
分かりやすく説明しますと、日本列島は踏みつぶされたのり煎餅のような状態です。上にあるのりは何とかつながっていますが、下の煎餅は割れ目だらけのぼろぼろ状態。
たびたび大小の地震が多発していることは、自然な現状です。このような危険な日本であるにもかかわらず、原発に頼るエネルギー政策。大地震による建設物被害は4-5年で改善できるが、大地震による原発事故の場合、放射能被害は40-50年でも改善されません。
場合によって、400-500年もかかることが現実です。
自然災害の危険性は、日本には、他にもあります。それは火山活動です。日本にはどのぐらいの元気な火山があると思いますか?
活火山の数は110!その中、現在でも噴火している火山、そして近い将来に噴火する可能性のある火山は47!
日本国の面積を考えますと、狭い領土の中では、日本は世界一の火山国でありながら、世界一の活断層の数でも知られています。
危険性と背中合わせの毎日で、国民の安心・安全に関する準備はどうでしょう…たとえば、災害のときの避難。
日本では、本当に安心して避難はできますか?人間も動物も?
ペットは大切な家族…環境省のいろいろな資料にそう書かれています。
しかし、行政看板のスローガンと実際の現実は大きく違っています。
どこへ行っても、ペット禁止の日本!それは普段のときもそうだし、異常事態のときもそうです。そして自然災害のときに、国民は避難しますが、犬猫が家族でありながら、避難するときの乗物に乗せてくれない?!
避難所に入れてくれない?!
2-3年で壊すはずの仮設住宅にも一緒に住めない?!
さすが動物後進国・日本!
神戸災害のとき、新潟災害のとき、福島災害のとき、熊本災害のとき、などなどで、悲惨な記録が残っています。
せっかく生き延びたペットたちが、今度は行政災害の犠牲になってしまいました。犬猫が家族として認めるのであれば、なぜ、国が助ける努力はしないのでしょうか?飼い主が家族である犬猫を必死に守りたいという気持ちが、なぜ、行政に通じないのでしょうか?
ペットが大切な家族であれば、
一緒に避難することが当たり前!
HARRY:
福島に残された動物たち。これが日本の現状だ。
良く見てくださいね、明日はあなたが大切にしているペットがこの姿になってしまう危険性がある。だから、今からでも遅くない。
安心して避難できるために、この例を見ない社会問題の改善に取り組みましょう!