発電所は電気がないと動かない!


北海道の地震でブラックアウトが起こりました!

平成では初ではないでしょうか?

これは苫東厚真火力発電所が大地震により被災し停止したためです。

これにより供給と需要のバランスが一気に崩れました。

バランスが崩れると電圧や周波数が乱れます。不安定な電気が供給されると需要施設の電気製品を破壊します。これらを防止するため安全装置が働き全ての発電所が停止したのです。


不思議と思われるかも知れませんが、発電所は電気がないと稼働出来ないのです。但し水力発電所だけは例外です。

水力発電所は水の力で水車を回し、直結した発電機で発電します。起動するための操作が水を送るバルブの開閉だけですから、電気が無くても稼働することが出来ます。


火力発電所は石炭をコンベアで送り、ボイラーで燃焼させ蒸気を作ります。その蒸気でタービンを回して発電機を回すのです。

蒸気を復水器で水に戻すため冷却装置が必要です。

水力発電と違って、コンベアを動かしたりポンプを動かすための電気が必要です。よって電気がないと稼働出来ないのです。


北海道電力はブラックアウトし全停電から復活させるために水力発電所を起動しました。

水力発電所で作った電気を利用して火力発電所を起動させたのです。

但し主力の苫東厚真発電所が停止により電力不足が続いており不安定な状態はしばらく続くでしょう。


太陽光発電所はどうでしょうか?

実は太陽光発電所ほど非常時に使えないのです。

水力発電所も火力発電所も発電した電気は交流です。

交流だと電圧を合わせればそのまま商用電源に供給出来ます。

太陽光発電で作られるのは直流です。そのまま商用電源に繋ぐことが出来ないので、パワーコンディショナと呼ばれる電力変換装置で交流にします。


この電力変換は商用電源系統の周波数と電圧に追従する装置なのです。つまり商用電源系統が生きていない状態では、電力の変換が出来ないのです。

太陽光発電は、商用電源系統が健全な時にだけ流すことが出来る電気なのです。


電力は供給と需要のバランスが大切です。

天候によって太陽光発電からの供給が一方的に増えると不安定な状態が発生します。

電力会社は出力調整の容易なガス火力発電で再生可能エネルギーな不安定な部分を調整しているのです。


日本は東日本大震災以降原子力発電所を停止して来ました。

古い火力発電所を再稼働してギリギリの状態で、東京では毎年ブラックアウトの危機を迎えているのです。

電気が止まればどうなるか?今回の北海道地震で示されたのではないでしょうか?

安全確認の取れた原子力発電所から再稼働させることは今の日本には必要なのです。


太陽光発電所も、きちんとした業者が造れば安全で問題ありません。

知識の無い人や、にわか知識の人がエネルギー問題で騒いでいるのが日本の一番の問題でしょう。